第3回 『3びきのかわいいオオカミ』

ユージーン・トリビザス 文/ヘレン・オクセンバリー 絵/こだまともこ 訳/冨山房 刊

 

 

あるところに、3びきのかわいいおおかみがいました。

一緒に暮らすおかあさんオオカミが、ある日言いました。

 

「おまえたち、そろそろ ひろい せかいに でておいき。

かあさんの うちをでて、じぶんたちの うちを つくりなさいな。

でも、わるいおおブタには きをつけるのよ」

 

家を出た3びきは、レンガの家を建てました。

翌日、おおブタがやってくるのを見た3びきは、

家の中に逃げ込んで…。

 

そろそろ、お気付きでしょうか。

これは、あの『3びきのこぶた』のパロディ絵本。

しかも、かなりスパイスが効いております。

 

レンガの家に戻りましょう。

ふーっと吹いても、ぷーっと吹いても、びくともしないとわかると、

おおブタは、ハンマーを持ち出して、家を破壊してしまいます。

 

逃げ出した3びきのオオカミ。

今度はコンクリートで、より頑丈な家を建てました。

しかし、この悪いおおブタ、今度は電気ドリルを持ち出して、

家を壊してしまいます。

 

ぶるぶる震えて逃げ出した3びき。

今度こそはと、鉄条網や鉄骨、鉄板で、最強の家を建てました。

結果は…、もうおわかりですね。

なにしろ凶悪なおおブタですから。

 

「きっと ぼくたち いままで まちがった ざいりょうで

うちを つくってたんだ。

もっと ちがうもので うちを たてなくちゃ。

でも なにを つかったら いいんだろう?」

 

3びきのオオカミ、次に建てたのは、なんと花の家でした。

そして、おおブタは・・・!?

 

オオカミたちの防衛っぷりと、ブタのさらなる攻撃。

それぞれがエスカレートしていく様は、コミカルでありながら、

こころの深い所を突いてくるようです。

 

最強の家とは、何でしょう?

咲きほこる花の前で、大きく深呼吸しながら、

もう一度考えてみる時が、来ているのかもしれません。

 

選書・文  スロウな本屋 小倉みゆき

 

 

 

スロウな本屋

「ゆっくりを愉しむ」をコンセプトに、店主が選んだ絵本と暮らしの本が揃う小さな新刊書店です。
戦前から残る木造長屋をリノベーションした店内では、毎月多彩なワークショップを開催しています。
岡山市北区南方2-9-7
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http://slowbooks.jp/

 

 

 

心が幸せで満たされる家。 ieto.me

 

写真 / 「stage39 – noir et blanc」 stageY’s 一級建築士事務所

 

 

 

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