第20回 『おふろだいすき』

 

松岡享子 文/林明子 絵/福音館書店 刊

 

 

 

「ぼく、おふろだいすき。おふろへはいるときは、いつも、あひるのプッカをつれていく。」

湯気がいっぱい、ぽかぽかのおふろ場。いつものように湯ぶねに入ると、外からお母さんの声。「ゆかげんは どうですか?」 ぼくは答える「あつくもなし、ぬるくもなし、ちょうどいいかげん」

お湯からあがって、からだを洗いはじめたら、お湯の中で遊んでいたプッカが、慌てて浮いてきた。「おふろのそこに、おおきなかめがいますよ」 浴槽から現れたかめに続くは、双子のペンギン。びっくりしたぼくの手から、せっけんがするりと滑り落ちて、つるつる滑り出す。ペンギンたちがおなかでシューっと滑ってせっけんを追った先には、大きなオットセイが・・・! かばの耳の後ろを洗ってやりながら、まだ洗っていなかった自分の耳の後ろを思い出したり、くじらのシャワーで泡を洗い流したり。おやまあ、なんて素敵なおふろなんでしょう!

『はじめてのおつかい』『こんとあき』などの絵本で知られる林明子さんが、あたたかなタッチで描く愉快なおふろ絵本。ああ、こんなおふろがあったら、小さな子どもも、率先して入浴してくれるかもしれない。いや、大人だって、きっと。今宵もおふろが、こころもからだも温まる時間でありますように。さあ、50まで数えますよ。

 

選書・文  スロウな本屋 小倉みゆき

 

 

『おふろだいすき』 オンラインショップページ

https://slowbooks.securesite.jp/shop/products/detail.php?product_id=218

 

 

スロウな本屋

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