テンキュウカズノリ設計室 オープンハウス 編

2019.08.05

 

 

設計事務所が開催するオープンハウスに行ったことがありますか?

『マイホームを検討しているけれど、オープンハウスに行くとそこで建てなきゃいけなくなるかも…。と思うと簡単に行けないんだよなぁ~。』
そんなふうに思っている方も多いのでは?

そこで、ieto.meが実際にオープンハウスを見学してレポートします!

2019年4月6日(土)・7日(日)に、TENK/テンキュウカズノリ設計室・『青津参道の家』OPEN HOUSEが開催されました。
いろいろとお話を聞かせていただきました!

 

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会場に到着!春の陽気の穏やかな日でした。

 

お邪魔して間もなく、『草屋根の家』の施主さんが!
お子さんと3人でいらっしゃってました。
建てた後も建築家と交流があるって素敵ですね。
今日は一緒に見学させていただきました。

 

リビングとダイニングの間の段差が、動きがあって面白いです。
広い空間なので、フラットだと のっぺりとした空間になるため、段差で空間を分けているとのこと。
「本棚を沢山作ったり、天井を高くしたり、図書館のような美術館のような家にしたい」というのが施主さんからの要望だったそうです。

天井は赤色。天久さんはクリア塗装にすることが多いそうですが、施主さんのご希望で赤に。
枠とか造作材は合わせて濃いめの木を選んであります。1階の床も濃いめの色のブラックチェリーです。

 

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―すぐに設計のアイデアは浮かびましたか?

そんなに具体的には浮かばなかったですね。手を動かさないと。
これはこの家に限らずいつも手を動かしながら形にしていきます。

―スケッチですか?

スケッチみたいなものを描いて。
いきなりこれっていうのは最初から出てこないので、描きながら考えていきます。
一番最初のプランはあの下に置いてある模型で、合わせて2案つくりました。

―ここは難しかったという箇所は?

いつも難しいですけども…スキップフロアって、細かい高さを気にして考えないと間違ったら頭を打ったりするんで。
スキップフロアで「なにかあるんじゃないか」という場面を作りたいんですよ。
もしかしたらその先になにかあるんじゃないかという気持ちにさせたくなるような。
それが最終的にはロフトだったりとかあるんですけど。
草屋根の家』の場合は屋根の上に上がれるようにしたとか。
そういうなにか期待させるようなものがあったほうがスキップフロアって生きてくると思うんです。

今回だと、階段でこんなふうに行ったり来たり。
階段って空間と空間を繋ぐ重要な場所だと思っているんでデザインはいつも気にしながらやってますね。
今回は手摺を一筆書きのようにずーっと繋げて。
こういう手摺をねえ、なかなかつくってくれる人はいないんだけど。
これは知り合いの人に作ってもらって。

1階と2階が分断されると、なんかね、せっかくの空間が勿体無いかな、と。
つながりがあったほうがいいっていうのはある。
よくあるのは空調の問題とか心配される方もいるんですけど。

―そういう場合はどうなるんですか?

そういう場合でも、こんな感じにしてますね…(笑)まあ、難しいんですけど、相反するところがあって。
空間は広げたい、でも空調は効かせたいと。
全館空調だと違うんですけど…。
今回の場合は床暖房を取り入れてます。

―こちらの住宅ではお子さんは?

2人いらっしゃいます。
この家には3つ部屋があって、それぞれ大きさが違うんですよ。
設計段階では、この部屋は子供部屋かなとか、こっちは寝室かなとか、一応話はするんですけど、やっぱり成長するとそうもいかなくなったりするんで。
お子さんが小さいあいだは広い部屋で3人で寝て、大きくなったら小さい部屋を子どもたちに使ってもらってとか、環境に合わせて変えられるようにしてますね。
大きい空間を家具で仕切ってみたいなフレシキブルなやり方もあるけど、 こういうふうに大きさの違う部屋を設けてやるのも面白いなと思いました。

7.5畳、6畳、四畳半の部屋で、打ち合わせでは一番広い7.5畳の部屋を子供部屋にして、部屋を仕切ろうかと。
寝室は四畳半です。これで十分ですよね。
僕も今寝てる部屋も四畳半で、セミダブル2つ入るくらいの大きさだけど、寝るだけだったら十分です。

―四畳半の大きさっていいなあ。落ち着きます。あの扉も、この扉も、素材は何ですか?

これはラワン合板。色はつけてないですね。
ラワン合板って、白ラワン、赤ラワンってあって。
赤みのあるものをよく選ぶんですけど、最近は手に入りにくいって、業者さんが。
比較的安価なベニヤですね。ベニヤっていうと印象が悪いんですが。

―最近住宅でよく見かけますね。

『味野の家』ってあるんですが、あそこは全部ラワンベニヤです。
ローコストというか、なんかローコストっていう言葉、僕はしっくりこないんですけど、コストをコントロールするための素材というか。

―ラワンの質感っていいですね。

 

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玄関入って目の前に黒板の壁が。左にはシューズクローク、向こう側にはウォークインクローゼットがあります。洗面とバスルームも隣にあり、便利が良さそうです。


 

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―今回のオープンハウスは、施工工務店との合同開催のようですね。いつもされているオープンハウスは予約制なんですか?

ええ。予約制にしないと対応できないんで。

―見学の方ひとりひとりに説明は予約制じゃないと難しいですね。

そうなんです。予約制じゃないほうが多く来てくださるんでしょうけどねぇ。

―オープンハウスの雰囲気とか特徴とかあったりしますか?OBさんが来ます!っていうのをよく聞きますが。

ああ、今も来てくださってますけど、うちもOBさんはよくこられますね。
…工期が遅れて、なかなかオープンハウス出来ないんですよね。
今回は、毎回オープンハウスをされている工務店なんでスケジュール的にもそういうの加味してきたと思うんですけどね。

―開催の調整とか難しいとなると、なおさら貴重ですね。OBさんと、これから建てられる方とお話をすることってあるんですか?

あー、ありますね。
これはちょっとイレギュラーなんですけど、先月徳島にある住宅で、建って6年後の住んでる状況でオープンハウスしたんですよ。

―ええ~6年!

OKしてくださるお施主さんがいらっしゃったので。
そのときにこれから建てる人に施主さんがお話してくれたり。

―6年経ってオープンハウスできるって

オープンハウスがあるから家がきれいになるって言ってくれましたけど、通常はなかなかOKしてくれないですよね。

―すごい!それ、かなり役に立ちますよね。これから建てる人は。経年変化、一番気になりますもん。6年の間にメンテナンスというか、補修はされているんですか?

いや、そこはそんなにしてなかったですね。
ところどころ、自分たちが施工した部分もあったりしましたけど。
そんな大きな改装っていうのはないな。

―おー、それはすごい!見学したかったです。

それはそれで、新鮮で良かったですよ。

―1年ならあるけど、6年ってすごいですよね。

まぁ、僕一人では出来なかったと思う。
どっちかといえば、工務店さんのほうが積極的に、やったらどうかな、って。

―今後も、そういうのあったらぜひ見たいですね。

そうですよね。割とフランクなお客さんだったんで、冗談半分でいいですよ、っていってくれるから。
…その場に居づらいですけど(笑)面白かったですよ。

―見学会でこういうことを見たらよいとか、ありますか?考え方とか、現場で実際に見る素材とか。

現場の事に関していうと、細かいところはあまりイメージを作り込まないほうが良いんじゃないかな、とは思います。
部分を見すぎて頭を固めすぎてしまうよりは。

人もそうですけど、変わってゆくじゃないですか。
子供は成長するし、出てゆくかもしれないし。
子供部屋ではよく出てくる問題なんですけどね。
子供部屋だけでなく、家全体もおおらかに住んでほしいなっていうのはありますね。
まぁ、ミリ単位を気にするのは僕らの仕事で、そこはそういう気持ちで住んでほしいなっていうのはあります。

―おおらかに。確かにサイズとか、ガチガチに決め込んじゃうと、ちょっとした変化にも調整できなくて困ることありますね。今後見学される方にコメントなどお願いできますか?

難しいですねぇ…。感じてください、ですかねぇ。
一軒一軒違うじゃないですか。これを参考にしてくださいって、無いんですよ。
その人の収まりや空間ってあると思うんで。
逆に参考にしてくださいっていうと、同じものが出来ると思われると嫌だなぁって思ったり。

昨日いらした方は、設計に対してのスタンスというか、そういう流れでこういう形になりましたっていうようなお話はしたんですけども。
よく、どういう設計を意識して、何を意識して設計されますか、とか根本的なことを聞かれることがあるんですよ。
何を特徴としてますか、とかそういった類の話を昨日はして。
あまりオープンハウス慣れしていないせいか、ひとつひとつ説明して回るのが苦手で…人によっていろいろ違うんで。

―では、オープンハウスするのはなぜですか?

まぁ、感じてほしいから、でしょうか。
これから家を建てる方には、感じるなり、建築家に会うきっかけがオープンハウスだと思うんで。
会って、話しないとね。

 

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こちらの住宅は施主さんから工務店さんを指定されたそうです。
施工をお知り合いの工務店さん等でお願いしたい場合も頼めるんですね。
その場合始めに伝えておくとスムーズかもしれないですね。

主催者側としてオープンハウスで気をつけていただきたいことは?とも尋ねてみました。
小さいお子さんが一緒のときは気をつけて見てあげてほしいとのことでした。
子どもは好奇心旺盛なので悪気なく触って、誤って汚したり壊してしまうこともあります。
見学の際は、楽しくてはしゃいでしまうお子さんを落ち着かせる工夫も必要ですね…。

また、写真を沢山撮ることも戸惑われるそうです。
建物の見学会ですが、そこにはプライバシーもあります。
撮影前にひとこと声をかけて、とのことでした。

マイホーム検討中だと、細かい部分が気になってつい撮りすぎてしまうことも。
でも、行き過ぎると気づかぬうちにご迷惑をかけているかもしれません。
知りたいことはまず建築家やスタッフに尋ねてみてください。
モラルある対応を心がけたいです。

 

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実際に建てる方は、HPやSNSなどをきっかけにオープンハウスを知り、見学して決断、という流れが多いようです。
情報だけではなく、五感で確かめて決める。

もしも、建築家で住宅設計を検討しているのなら、
この建築家は我が家に合う設計をしてくれるかも、という気がするなら、
機会があれば、ぜひオープンハウスに行って、見て感じて、建築家と話をしてみてください。

将来ずっと住む家を自分たちと一緒に創るのはこの人なのか、
どうぞ確かめに来てください。

 

 

2019年4月 撮影
文:ieto.me編集局

 

 

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