「なんだか楽しそう!」な人たちって、暮らしも楽しそう! それってつまり、〈 暮らし上手 〉だと思うんです。
そんな人たちの「たのしい」の秘訣、聞いてみたいな・・・。 よし!会いに行ってみよう!!
思い立ったが吉日、さっそく お伺いした暮らし上手さんからは、幸せのヒントが いっぱい飛び出してきました!


今回登場していただくのは、カフェ「Grid Kitchenグリッドキッチン」オーナー大月祥津子(おおつき さつこ)さん、「31coffeeサイコーヒー」オーナー大島麻理子(おおしま まりこ)さんのお二人。カフェは児島湖を一望できる眺めのいい建物で、旬の食材をふんだんに使ったランチやデザート、自家焙煎のコーヒーが楽しめます。そんな素敵空間を提供する祥津子さん、麻理子さんはいつ会っても笑顔の元気女子!おしどり夫婦のような関係だとか…。二人の素顔に迫ります。
(聞き手:松田祥子)

3.念願のOPENに向けて 『暮らし上手さんに会おう!第4回』

2015.10.19

 

 

 

――独立を目指し、それぞれのプロセスを経て「CAFÉ Z(カフェゼット)」を巣立っていった祥津子さんと麻理子さん。その後、2014年9月にオープンするまでのお話を聞かせてください。

 

さっちゃん:私はまりちゃんより1年くらい前に、独立しようと思ってゼットを辞めて、ずっと場所探しをしていたんですよ。2年くらいかな。その間、ゼットにお茶を飲みに行ったら、「また、さっちゃん来た。本当に探しとるん?」って言われて。

 

――(笑)。

 

 

さっちゃん:めっちゃ探してたのになー。

 

まりちゃん:みんなには「ふらふらしとる」って伝わってたな。

 

まりちゃん:私がゼットを辞めて1年半くらいふらふらしてたんだもんな。さっちゃんは2年半くらいふらふらしてたんじゃない?

 

さっちゃん:そうかなぁ。

 

まりちゃん:すげぇ~ふらふらしとるな(笑)。

 

――「ふらふら」も2人にしてみたら、なんだか明るいですね。

 

さっちゃん:いや、でも、ふらふらしてるといっても、オルト・デリがあったので忙しい時は月2回ぐらいイベントに出たり、お菓子屋さんでバイトしたり、休みの日には大好きな野菜農家さんのニンニク堀りを手伝ったり、桃の手伝いに行ったりという「援農」したりしてて。あ、声がかかったら料理教室の講師もしてました。

 

 

――結局、しっかり「食」に根付いて動いていたんですね…。

 

さっちゃん:その合い間をぬって場所を探してたんですが、なくって、なくって、なくって…。で、ようやくこの場所が決まったんです。

 

――やりましたね! そこからオープンするまでは順調に?

 

さっちゃん:なかなか…。建物の申請とかなかなか進まなかったのもあって、1年と10ヶ月かかってますね。その時は本当に考えなくちゃいけないことがたくさんありすぎて、頭がいっぱいでした。

誰かに相談したくても35とか36歳とかになると、同年代の友人は結婚していたり、子供がいたり、勤めがあったりで、お店を立ち上げるという人はあまりいなかったんです。図面を見ながら相談してみても、友人たちにはなかなか伝わらなくて。

 

――うーん、確かにその立場になってみないと、簡単には答えられないかもしれません…。

 

まりちゃん:まぁ、そうだよなぁ。

 

さっちゃん:ちょうどそのとき、まりちゃんがゼットを辞めてふらふらしてるみたいだったから(笑)、まりちゃんに聞いてみようと思って、待ち合わせをして図面を広げたら…。

 

まりちゃん:本気度全開、トーク炸裂(笑)。図面を見ながら、ロースターの位置でさんざん悩んだよなぁ。

 

さっちゃん:フライヤーも。

 

まりちゃん:そうそう、ロースターとフライヤーの位置について、私しゃ右利きだからこっちじゃ思うんよ、いや、どうかなって、動線を相当考えておきながら、
いまだに買ってない、という(笑)。

 

 

――まりちゃんはちょうどそのとき、場所探しに奔走してた頃ですか?

 

まりちゃん:そうですね。倉敷方面で探してたんですけど、なかなか見つからなくて。ちょっとひきこもり状態になっていた頃、さっちゃんから連絡があったんです。

 

さっちゃん:そうそう、ひきこもって昼寝ばかりしてたし。

 

まりちゃん:人間あんなに眠れるのかっていうくらい。

 

――一日に何時間くらい?

 

まりちゃん:普通に夜寝るでしょ。7、8時間寝るじゃないですか。で、朝起きた。ごはん食べた。昼まで寝る。昼起きた。ご飯食べた。昼から寝る。

 

――(笑)。

 

さっちゃん:それで夜に眠れないのかと思ったら…

 

まりちゃん:12時には寝れる(笑)。すごく寝てた。17、18時間くらい寝てたかも。

 

さっちゃん:私は寝てる時間がもったいなくて。寝なくても生きていけるのだったら寝たくない派です。

 

まりちゃん:私は寝たい派。

 

 

――正反対? いいコンビです(笑)。
そんなこんなでカフェオープンに向けて少しずつ進み始めたんですね。

 

さっちゃん:はい。で、その後もまりちゃんに図面を見せながら、こうなった、ああなったと報告をしていたら、ここの中2階が空いてたんですよ。そこを倉庫にしようか、トイレにしようかと話していたら、まりちゃんが…

 

まりちゃん:「ここ空いとるが。貸してー」って。

 

さっちゃん:そう、そんだけ。

 

――あっかるーい(笑)!一筋縄では行かなかった場所探しですが、ついにサイコーヒーも始動ですね。

 

 

さっちゃん:1階のカフェは私がテナントとして入って内装工事をしました。中2階はまりちゃんがテナントとして間借りしていて、2階部分は「Anchor Space 45(アンカースペース45)」という貸しギャラリースペースを開いています。
で、まりちゃんは珈琲豆の焙煎をしながら、「グリッドキッチン」のパートスタッフとしても働いています。

 

――カフェの内装は倉庫をリフォームしているためか、天井も高くて開放感たっぷり。ワイルドな印象!

ブロック塀の無機質なイメージの中に、木のテーブルや薪ストーブがあり、ほっと落ち着ける、自然体で過ごせるような場所ですね。

これ、すべてさっちゃんが考えた空間?

 

さっちゃん:そうです。イメージしたものをスケッチにしたりして建築家さんにお願いしたんです。
設計を依頼するなら、私のイメージがすんなり伝わる同世代の方がいいなぁと思っていたら、5歳年上の女性の建築家さんを紹介してもらえて。私がブロック塀のカウンターにしたい、というのもすんなりと伝わってよかった…。

うちの母はブロック塀にして、泣いたらしいんです。

 

 

 

――あららら。

 

さっちゃん:母の世代にとってブロック塀は外壁。外の壁と壁の間にあるもの、という認識なんですよね。

 

まりちゃん:だから、ずっとブロック塀を塗らなくちゃと思っていて、すごく悩んだって話していました。
でも、娘には直接聞けないから、工事で来ている人に「いつになったらこのブロックは完成するん?」と聞いてみたけど、そのときはもう完成していたという…。

 

さっちゃん:母の中では、完成しないまま(笑)。

 

まりちゃん:私もさっちゃんのお母さんから相談を受けていて、「なんかね、そういうのが流行りみたいです」と助言しておきました。

 

さっちゃん:いろいろ心配をかけた母ですが、今となっては友達をたくさん連れてきてくれています。

 

 

 

――オープン当日は大変でした?

 

さっちゃん:いやぁ、大変だったのはプレオープンでしたね。
グランドオープンが2014年9月26日。その3、4日前にプレオープンで半日ほど開けたんですよ。

 

まりちゃん:メニュー表を作って、このメニューからはどれでもできますよって。
近所の人にポスティングをして、あとは知人や工事に関わってくださった方々にもぜひ来てくださいね、と連絡を入れて。

 

――そこで、ものすごい数のお客さんが来た、とか?

 

さっちゃん:人数というより、時間とメニューですかね…。
スタッフ3人はみんな飲食経験者だったので、オーダーが入ったらテキパキとこなせるんですけど、何を頼んでもいいよというスタイルにしたため、結果、5、6時間ずっとランチタイムをしている状態になって。

 

 

 

まりちゃん:「お茶もランチもOK」を5、6時間続けるって結構大変だったなぁ。

 

さっちゃん:ランチタイムってだいたい2時間半から3時間なんですよね。

 

まりちゃん:みんなやっとオープンしたし、協力してあげようと思ってくれて頼んでくれるんですけど、メニュー表の下にこっそりお金はいらないからって書いていたんですよ。

 

さっちゃん:そうそう。でも、みんな、下まで読んでなくて…。

 

まりちゃん:だから、みんなガンガン頼んでくれるんです。

 

さっちゃん:めちゃくちゃ大変なその日をもとに、厨房内の動線の、ここの動きがもたつくなぁ、とか、これはあっちの方がいいかな、という所を修正していきました。オープンまで中3日くらいあったかな。
実は、私たちスタッフみんな、「動線フェチ」なんですよ。

 

――動線フェチ?

 

 

 

さっちゃん:いかに素早く動けるか、効率を考えることが好きすぎて、大好きで、本当にずっと考えているんです。

 

まりちゃん:うん。動線が好きすぎて、いまだにどんどん配置が変わるもんな。ある日、なんでこれがここにあるんじゃろう?って思う。

 

さっちゃん:だね。この棚、いらなくね? っていうことになったり。

 

――(爆笑)。

 

さっちゃん:オープンした初日は、営業を終えて仕込みして、9時半くらいに帰りました。

 

まりちゃん:2日目は8時半に帰って、3日目には7時半に…。

 

――営業時間は午後7時で変わらず?

 

さっちゃん:はい。で、みんなで「帰る時間、早くない? うちの店大丈夫かな?」と不安になったんです。

 

まりちゃん:なった! 3日目で7時半に帰っていいのかな? って。

 

 

――すごーい(笑)。それは動線フェチのなせる技でしょうか?

 

さっちゃん:動線と飲食経験者と…。

 

――やっぱり、動きが違うのかな。ビデオカメラで見てみたいです。

 

さっちゃん:私、基本的に「餅は餅屋」と思っていて…。仕事は分業制だと…。

 

まりちゃん:経験者ばっかりが集まると、あの人はあれしよるから私はこっちしよう、あの人、あそこにいるから、今は無理じゃな、とかっていうセンサーが働くんですよね。

 

 

 

さっちゃん:そう、飲食業経験者が少ない場合は、2人で同じようにキャベツを切ってしまうんですが、1人はその前にあるナスを切ればいいんじゃないの?っていうのが、経験者だと分かる。
みんな仕事がかぶらないから、全部が一気に終わるんだと思います。
結果、7時半に終わって…これ、いいんかな? ってなったよな。

 

まりちゃん:うん。早すぎて、すること忘れてない?って。

 

さっちゃん:よし、忘れてない! って確認して帰った。

 

――ほぉー、気持ちいいですね。

 

さっちゃん:飲食は一つのことをやっていてもダメで、センサーがいっぱいあるとうまくまわっていくんですよね。

 

つづく・・・4回連載 最終回「4. 「めっちゃおいしい!」を作りたくて」は10月26日UP予定です。

2015年8月 取材
文:松田祥子
キャプション:編集A

※ 写真をクリックorタップするとキャプションとともに拡大写真がご覧いただけます。

 

◇ CAFÉ×ATELIER Z カフェ×アトリエ Z http://cafez.jp/
岡山市南区浜野2-1-35/TEL&FAX 086-263-8988
営業時間 11:00~19:00/定休日 月・火曜日

・・・

 

◆「Grid Kitchenグリッドキッチン」 http://grid-kitchen.tumblr.com/
TEL 0863-53-9266/営業時間 11:00~18:00/定休日 火・水曜

◆「31coffeeサイコーヒー」 http://31coffee.tumblr.com/
TEL 080-1941-7331/営業時間 11:00~18:00/定休日 火・水曜

◆「Anchor Space 45 アンカースペース45」
TEL 090-4699-5438(大月)/営業時間 11:00~18:00(ご相談承ります)/定休日 火・水曜

 

岡山県玉野市八浜町見石字田畠883-50

 

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