「なんだか楽しそう!」な人たちって、暮らしも楽しそう! それってつまり、〈 暮らし上手 〉だと思うんです。
そんな人たちの「たのしい」の秘訣、聞いてみたいな・・・。 よし!会いに行ってみよう!!
思い立ったが吉日、さっそく お伺いした暮らし上手さんからは、幸せのヒントが いっぱい飛び出してきました!


今回登場していただくのは、岡山市でグラフィック、WEB デザインなどの仕事をされている 『ブラボーデザイン室』代表の大塚啓ニ(おおつか けいじ)さんと、 「岡山のものづくり」を伝えるセレクトショップ『ハレマチ特区365』にお勤めで、 休日にはブラボーデザイン室の手伝いや裁縫仕事もされる大塚小百合(おおつか さゆり)さんのご家族。 毎日、楽しいことを見つけて、家族でたくさん話をして、その傍らにはいつもイヌとネコがいます。 10 年前に建てた事務所兼自宅がベースとなった暮らしぶりを覗いてみました。
(聞き手:尾原千明)

2.啓ニさんと小百合さん 『暮らし上手さんに会おう!第5回』

2016.01.11

 

 

 

〈大塚さんのお宅にお邪魔したのは、Tシャツで過ごせるくらい気温の高い10月の午後でした。ダイニングテーブルでお話を聞いているうちに、おやつの準備が始まりました。啓ニさんが用意してくださったようです〉

 

啓ニさん:はい、さゆさん。これとスプーンと。小さい方がいいかな。甘いからね、たくさんは食べられないかもしれん。僕ら、これ使おうか。

 

——:これは何ですか。

 

啓ニさん:バルサミコ風味の… 、要はバルサミコ風味のカスタードです。初めて作ったので、おいしいかどうかはわからないんですけど。上はチョコレートのペーストです。

 

小百合さん:チョコの匂いがするな。大丈夫かどうか食べてみて。

 

 

——:いただきます。この粒つぶは?

 

啓ニさん:それはイタリア風に、松の実。かなり甘いですよ。

 

小百合さん:これ、ブラックコーヒー飲まないと。

 

——:ご主人は料理が得意と聞いたんですけど、普段は小百合さんが作られるんですか。

 

啓ニさん:100%僕が作ってます。

 

——:じゃあキッチンは啓ニさんの場所?

 

小百合さん:勝手に入ってったら「何してるの?!」って… 。

 

啓ニさん:そこまでは言わないですけど、入ってこないです。

 

 

——:男の人の料理で、たまに作るのが楽しかったり、というんじゃあないんですね。

 

啓ニさん:どういうんかな、やらざるを得ないというか。息子が高校生になったから、お弁当という…。

 

小百合さん:まあ、楽しさ倍増っていうか。

 

——:前夜からの段取りもされるんですか。お弁当写真とかあったりします?

 

啓ニさん:基本、その日の朝にやってます。あ、今日の写真はありますよ。たまたま撮ったんです。今日は角煮で、朝からは出来ないなと思って初めて昨日から作りました。

 

 

啓ニさん:甘いわ、これ。自分で作って食べてて、もう無理。

 

小百合さん:ちょっと麦茶飲もうか。甘いから。でも食器を使ってしまったなー、もともと少ないし。

 

——:少なくしているんですか。

 

啓ニさん:収納のキャパに合わせて少なめです。だから電子レンジも、炊飯器もないんです。オーブントースターしかないです。

 

——:炊飯器がないと、余ったご飯はどうするんですか?

 

啓ニさん:うちは炊きたてを食べようよ、って2合だけ炊くんです。毎食、食べきりで。でも土鍋は火をつけて15分炊いて、5分むらしておけばいいから、20分もあれば出来上がるんでいいですよ。

 

 

 

〈話は器のことから、毎年5月に倉敷で開催されているフィールドオブクラフト倉敷(FOC)のことへ。フィールドオブクラフト倉敷は10年前に始まった「掌から生まれるかたち」をテーマに、暮らしに寄り添う作品を展示販売するイベントです〉

 

——:このお皿、かわいいなと思って。

 

啓ニさん:これは100均なんですよ。
これはずっと使っていて、壊れないからあるんです。シンプルで丈夫なのが好きなんで、普段食事に使っているのはフランスやイタリアの業務用食器がメインで。
FOC(フィールドオブクラフト倉敷)で作家さんと出会うまでは、作家ものの器って、全く使ってなかったんです。

 

——:FOCでは結構、買いものされていますか。

 

啓ニさん:最初は買っていましたが、最近はビール売りのボランティアスタッフとかしてると結構、忙しくて(笑)。

 

小百合さん:別のときに買うことが多いかな。一番最近買った十河(隆史)さんの器がこれで…。千田(稚子)さんの器はこれ。お茶碗。千田さんと十河さんのが多いね、うち。

 

 

啓ニさん:あ、FOCで買った絶品のがあるんです。これね、本当に絶品です!

 

——:あ! これ、友だちが買ってました。木村肇さんの備前焼のスパイスミル。

 

啓ニさん:これで挽くと、胡椒の香りが最高なんです。細かくなりすぎなくて、外に飛ばない。木の「すりこぎ」が付いているのがいい。この鉢にはこれ、って選んでくれるんです。

 

小百合さん:これはお客さんの顔を見て決めてるんだよ。鉢にも合わせてるけど、お客さんに合わせてるんだって。肇さんが私に選んでくれたんよ。

 

啓ニさん:じゃあ僕が買いに行かないといけなかったんじゃない?

 

小百合さん:(意図的な)へ?

 

啓ニさん:いや、使うの僕だから…。

 

小百合さん:大丈夫よ、だいたい手の大きさ一緒だもん。

 

 

——:啓ニさんはずっとFOCの色々なデザインもされていらっしゃるんですよね。

 

啓ニさん:最初の年のグラフィックは木工作家の山本美文さんの制作です。
第1回目の年はボランティアで参加し、2回目からは実行委員になったのでデザインも、という話になって、ポスター、DM、会場のサインとか、全部を担わせてもらって。

2回目はカラーのイラストを描いたんですけど、その頃はイベント自体がまだ周知されていなくて、屋外で開催するこんなイベントだよ、ということを知らせるために、具体的なものを作ろうと思って。

 

——:手のイラストのものは?

 

 

啓ニさん:それは3回目からです。
「手」が主役の展で、陶芸やガラス、木工、手がいろんなものを作っているよ、というデザインを3種類作ったら、それが好評で、じゃあこれでずっと行きましょう、って言われて。
最初の3回は、告知もされていなくて人が少ない上に、天気がすごく悪かったんですよ。風は吹くわ寒いわ、で、3回目は雨がすごくて(笑)。

 

——: FOCはその後に繋がるような出会いの場でもあり…。

 

啓ニさん:そうですね、かなり大きいですね。作家さんとも知り合えるし、設計事務所の方とも。

 

 

 

——:それこそ小百合さんが立ち上げから関わっている『ハレマチ特区365』のお仕事にも繋がるような。

 

小百合さん:そう。十河さんや染色家の北野さんにはハレマチでもワークショップでお世話になってます。A-miuさん(飛騨高山のお菓子屋さん)とも仲良くさせてもらったり。

 

——:小百合さんのおうちの中での仕事場はどこになるんですか。休日には啓二さんの仕事のお手伝いや洋服のお直しとか、いろんなことをされるから、気分転換に移動していく感じですか。

 

小百合さん:わたしは下の机と、ミシンは…。

 

——:そうそう、ジーンズソムリエの資格も持たれてるんですよね。

 

 

啓ニさん:本当に飽き性なんですよ。すっごく追求するんですけど、がーっと勉強して、がーっと冷めるんです。でも一応、実になってるから、勉強して損はないかな。

 

小百合さん:インテリアコーディネーターの資格を取らなかったら、ディスプレイの仕事もなかったし。

最初はジーンズの子ども服の企画をしていて、4年務めてました。ジーンズって同じものを何千本も作るんですけど、全国の店舗回りをしていたら、売れる店は店作りがうまいということに気づいたんです。店作りとか商品の見せ方ってすごく大事だなって。

私は建築の学校で学んだわけでもないし、プロダクトやインテリア科でもなく服飾デザインのスタイリスト科卒だったから、インテリアコーディネーターという中間地点の資格があって、勉強さえすれば取れるから、取って。

それでディスプレイと店舗設計の会社に入社しました。その後、別の会社で、その頃建設中だった倉敷チボリ公園の仕事もしていました。バックアレイって下町のゲームコーナーのデザインをさせてもらったり。

それから結婚したから、いったん辞めます、ということで。

 

啓ニさん:とりあえず僕の仕事を手伝ってもらって。

 

 

小百合さん:デザインは手伝ってなかったんだけど、そのうち校正したり文章を書いたり。関係ないけど、「リクNEWS」を作ったり。これは月1で息子リクを題材にした四コママンガ付きの成長記録新聞を、親戚に送りつけるという暴力的な新聞(笑)。でも4号くらいで辞めました。

 

啓ニさん:そうこうしているうちに、すっごく忙しくなったんです。あの頃は朝の4時、5時にデザイン修正の電話が普通にかかってきたりね。おかげで家を建てることが出来ました(笑)。

家を建てるかどうかはすごく迷ったんですが、建てたことで知り合った人も多いんですよね。土岐さんとの出会いもそうですし、それがなかったらFOCにも参加してないし。いろいろと向きが変わってきた。人生経験的にだいぶ豊かになってきたと思います。家が出来る、というのはそういうことだなと思いました。

 

小百合さん:いろんな業界の人と知り合えて、それは本当によかったと思います。

 

 

——:それから、この「ieto.me」のデザインもされていらっしゃるんですよね。

 

啓ニさん:これはしっかりとしたビジョンがあったので。

 

小百合さん:このサイトはトントントン、と進んで行ったと思います。まず「ieto」の名前とmeドメインが出た時に、おっ!と思いました。最初にドメインを調べていたとき、「家と私」みたいなキーワードが出て来て、うーん、と思っていたら、「me」ドメインがあるぞ、って。ie toドットmeで、イエ・ト・ミー「家と私」、これだ! メジャー感もあるし、覚えやすい、言いやすいし、

 

啓ニさん:すぐに検索で出てくるし、

 

小百合さん:打ちやすいしね。「建築家のための、建てたい人のための、」っていうのも回りくどいし、ネーミングとドメインが合致して良かった。写真がメインのサイトで、コンテンツも盛りだくさんなので、基本デザインはシンプルに。それぞれのコーナーデザインは分けていこうということになったんですよね。

 

つづく・・・4回連載 第3回「3.リクくんと10年目の家」は1月18日UP予定です。

2015年10月 取材
文:尾原千明
キャプション:編集A

※ 写真をクリックorタップするとキャプションとともに拡大写真がご覧いただけます。

 

デザインでお客様によろこんでいただくのはもちろんの事、
日々の暮らしを楽しくしたり 地域を幸せにすることができれば・・と、
日々奮闘中です。

◆「ブラボーデザイン室」 http://www.blavo.jp/
岡山市南区浦安本町173-18/TEL 086-265-4824  MAIL info@blavo.jp

 

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クラフト作品を野外のテントで展示販売するだけでなく、作り手と使い手が自由に交流でき、心を通わせ合える場所にしたいという願いを込めたクラフトフェア。

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「岡山生まれの、ものづくり」のセレクトショップ。岡山の企業・団体・職人・作家のこだわりの逸品やここだけでしか出合えない限定アイテムが揃っています。
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営業時間 10:00~21:00

 

 

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