『あったらいいな、こんな暮らし。』
この気持ちをいつも大切にした家づくりを心掛けるFOMES design。
そのFOMES designから、新しい提案住宅が生まれました。
場所は静かで利便性のよい街、倉敷市大島。
倉敷に住む建築家が提案する、倉敷で暮らす家・・・。
FOMES designの考える提案住宅とは?
そして「STUDY HOUSE」とは?
FOMES designの手がける家づくりプロジェクトについて、
まもなく完成という「大島ハウス」と、FOMES design事務所に伺い
代表の高見修一さんにお話を聞かせていただきました。

chapter.2「STUDY HOUSE」が生まれたわけ

2015.05.20 

 

 


2_01―― さて、「STUDY HOUSE」としては、この「大島ハウス」以前に、これまでvol.1の「羽島の家」、vol.2の「CLASS HOME WORKS」がありますよね。

 高見 はい。「羽島の家」は「大島ハウス」と同様に一般住宅ですが、「CLASS」は店舗併用住宅です。
しかも「CLASS」はクライアントと一緒に作るというより、こちらだけのスタディですべて完成させていますから、この3棟が必ずしも同一のプロジェクトとは言えないかもしれませんが、こちらからの提案を盛り込んで建売にしたこれらの家を、「STUDY HOUSE」としています。  

―― プロジェクト第1弾である「羽島の家」をつくられたきっかけは、どういうものだったのでしょうか?

高見 「羽島の家」も、土地に出合ったんですよ! 「ここに建てたい!」という、僕好みの土地に。
羽島というと倉敷の中心部に近い街なかのエリアなんですけど、たまたまそこに33坪のとっても小さな土地が出ていて。
僕はその小ささが気に入って、小さいから価格も手の届くもので。買えると思ったら欲しくなって、ここに素敵な家を建ててみたいって妄想がワーッと膨らむわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2_02高見 でも自分たちは既に家があるから建てて住むわけにいかないじゃない?・・・で、ここからは「ぶっちゃけ話」なんだけど、それなら親に住んでもらおうと思って。老夫婦の暮らしなら小さな家でちょうどいいし、買っちゃったんですよ、勝手に(笑)。

―― (笑)。

高見 で、買った後できちんと話をしてみたら、まとまらなくって。
まあ、そうですよね、急にそんなこと言われても(笑)。それでももう、妄想が膨らんでしまってますから、誰が住むかは置いといて、とにかくつくっちゃえと。

―― つくりたい気持ちは誰にも止められない(笑)。

 

 

 

高見 そう。で、とりあえず内装まで完成させた図面を描いて、工務店さんに見積もりしてもらいました。それでうちの通帳を見てみたら、その見積額の半分ぐらいしかなかった。ほんとにぶっちゃけ話ですね(笑)。

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2_04高見 
そこで思ったのが、「じゃあ逆に、これだけの資金だったらどこまでつくれるの?」という話。
それなら、設備を取って床材も取って・・・と、どんどん削っていったんですよ。といっても屋根や窓もつくれなかったらさすがに内部が傷むから困るなあと思っていたら、ちょうど建物の外側の部分まではきっちり完成させられることがわかったんです!

―― ほー!

高見 そのときに少し興味があったのが、集合住宅のリノベーション。さっき「スケルトン&インフィル」の話をしましたけど、5、6年前の当時は、ちょうど僕らの間でそれが注目されるようになっていた頃で。でも、中古住宅のリノベーションを考えるとなると、僕としてはどうしても、既存の内装を壊す手間と費用のもったいなさが気になるんですよ。

―― 高いお金を払って、壊すとわかっているものを買うのはイヤですよね。

高見 元から中が空っぽの状態で売ってる家があればいいのにと思いますよね?
でも、そんなのどこを探してもないから、だったらそれを僕がここにつくればいいじゃん、と思ったんですよ!ちょうど、資金的に外側までしかできないんだし(笑)。

 

 


2_05―― 納得!そう言われると、その通りです!
こうして「羽島の家」ができたことによって、はじめて「STUDY HOUSE」というプロジェクトがスタートしたというわけなんですね。

高見 そう。「STUDY HOUSE」はほんとに「羽島の家」ありきのもの。たまたま「これは」という土地に出合ったことから、たまたま生まれてきたものなんですよ。
でもそれ以前から、ずっと「家を買う」という行為について自分の中で考えていたんです。例えばまだ充分な予算のない若い夫婦にとって、敷居の高いかもしれない建築家を訊ねて、注文住宅を依頼するのは難しいのではないかとか。

 

 

 

 

 

高見 そうしたら、建築家が作る建売住宅があってもいいんじゃないかという考えになり、なおかつ内部については住む方の好きなようにできたら、もっといいじゃないと思ったんですよ。こちらとしては、自分がいいと思う土地にいいと思うものを建てて提案したい気持ちがあるし、住む方にとっては、注文住宅よりいくぶんリーズナブルに、気軽に建築家に依頼して自分の思う家をつくれる。 それ、夢のような話じゃないですか!

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2_07―― ですね。まさにいいとこどり!
住む方にとっては、こんなスケルトン状態から自由につくれるなら、満足度はほとんど注文住宅と変わらないと思います。

高見 日ごろ僕らが手掛けている注文住宅でも、クライアントの要望というのは、間取りや動線、デザインテイストといった、家の内部に関することがほとんどなんです。ハコである建物については、構造や敷地に対する法的規制が絡んできて、一般の方にはよくわからなかったりしますよね。だからその部分に関しては、プロである僕らがしっかり考えて提案すればいい。

 

 

 

 


2_08―― なるほど。
私自身、「こんな家がいいな」と想像したとき、浮かんでくるのはインテリアのイメージですね。・・・では、そんな「羽島の家」が誕生して、公開したときのお客さまの反応はいかがでしたか?

高見 そりゃもう皆さん、今日のライターさんと同じリアクション!外側はすっかりできあがっているのに、いざドアを開けて中に入って見ると、まさにこの状態(笑)。当然、誰もが「えーっ!」って。

 

 

 

 

 

 高見 「羽島の家」の見学会は、倉敷エリアの小さなタウン紙で告知しただけだったんです。
こんな途中やめみたいな家(笑)、僕も初めてだし他に見たこともなかったから、どういう反応が来るのかまったく想像がつきませんでした。とてもじゃないけど2日間で売れるなんて思ってもいなかったですよね。賃貸にしようにもこの状態じゃ貸すこともできないし。かといって資金がないから、完成もさせられない(泣)。売れなかったら何カ月この状態で置いておくことになるのか、まったくあてもないまま、2日間公開しました。

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2_10―― よくチャレンジされましたよねえ・・・。

高見 そしたら、2日目の夕方最後に来られたご夫婦が、「街なかに暮らしたくて、予算的に戸建は難しいだろうからマンションを考えている」という方で。
たまたま記事を見つけて、見に行くだけ行ってみようと言って来られたそうです。中を見てもちろんびっくりされたんですけど、予算的に折り合いがつきそうだということで乗ってこられて。

「他にもこんな家ありますか?」
「僕も実験でやっているので、おそらくどこにもないはずです」
「じゃ他の方が買ってしまったら、もう他にはないんですね」

というような会話があって、トントン拍子に決まりました。

 

 

 


2_11―― そうなんですね!

高見 このご家族が、ほんとに僕らのイメージ通りの方で。建てながら「こんな方が住むのにいい家だろうな」となんとなく思っていた、そのままのご夫婦だったんですよ。ジャズの好きな方で、スピーカーを壁に取付けたいという話も出ましたね。

 ただ内部のスタディについては、「羽島の家」はあまりにも小さくて、それほど自由にしようがないということもありましたし、元々マンション志向のご家族ということもあって、そこまであれこれスタディするという感じではなかったかもしれません。FOMESのこれまでの施工例を参考にしながら、すんなりと決まっていきました。

―― 住まれている方のご様子を伺うことはありますか?

 

 

 

高見 思ってもみなかった街なかの一戸建に住めることを、とにかく喜んでいらっしゃいましたね。
「羽島の家」も「大島ハウス」と同じようにコートハウスで、塀に囲まれたデッキがあるんですよ。ご主人はよくデッキに出て1杯やってらっしゃるみたいで(笑)、そういう暮らしぶりを聞くと、ほんとにうれしいですよねえ。
よくぞこのご家族と出会えたなと思います。

―― お互いにベストな結果で、本当によかったですね。「大島ハウス」も、どんな方に出会えるか、とても楽しみです!

 

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文・吉田愛紀子

次回 3.土地からはじまる「STUDY HOUSE」は 5月27日(水)UP予定です。

 

 

株式会社 FOMES design

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http://www.fomes.net

STUDY HOUSEについて詳しくは・・・ http://fomes.net/study-house.html 

 

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