『あったらいいな、こんな暮らし。』
この気持ちをいつも大切にした家づくりを心掛けるFOMES design。
そのFOMES designから、新しい提案住宅が生まれました。
場所は静かで利便性のよい街、倉敷市大島。
倉敷に住む建築家が提案する、倉敷で暮らす家・・・。
FOMES designの考える提案住宅とは?
そして「STUDY HOUSE」とは?
FOMES designの手がける家づくりプロジェクトについて、
まもなく完成という「大島ハウス」と、FOMES design事務所に伺い
代表の高見修一さんにお話を聞かせていただきました。

chapter.1「STUDY HOUSE」ってなんだろう

2015.05.13 

 

 

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―― 倉敷市大島に誕生した、FOMES designの手掛ける新しい提案住宅。「大島ハウス」と名付けられたその家は、「あったらいいな、こんな暮らし。」をコンセプトとするプロジェクト「STUDY HOUSE」、3棟目の試みです。

今日はこの「STUDY HOUSE」、そして「大島ハウス」について、じっくりお話を伺いたいと思います。

・・・まずHPを参照させていただくと、「街並みに配慮した外観、家の骨組みなどは私たちFOMES designがスタディし、間取りや仕上げ、インテリアについてはあなたがスタディする。」とありますね。この「スタディ」とは、どういったことを意味するのでしょうか?

高見 はい。
スタディというのはHPの文章にもあるように、勉強、研究、検討…いろいろ一生懸命考えていくということです。
ですがまず簡単に申し上げると、基本的には、いわゆる「建売住宅」なんです。見てのとおり、この家を買って住んでくださる方いませんかという。

 

 

 

 

 


1_02―― そうなんですね。

・・・ですが建売といっても、FOMES designと住む方が一緒にスタディしていく家づくりプロジェクトということですし、やはり建築家さんがつくられるものですから、なにか思いをもって手掛けられているのではないかと思います。

高見 そうですね、単純に商売としての建売とは違うでしょうね。今、僕らがこうしてこのように建物の外側を、僕らなりにいろいろ考えてつくったので、その先の中身の部分は、住む人自身で考えていきましょう、というものです。

―― ・・・というと、例えば分譲マンションで内装色やキッチンが選べたりする、セミオーダーのような??

 

 

高見 ふふっ、これは見てのお楽しみ(笑)。 ま、とにかく中に入ってみてください!

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1_04―― えーっ!これ、めちゃくちゃ建築途中じゃないですか?!

この状態で売るんですか?

高見 びっくりしましたか?

―― まさか、壁も張ってなくて、柱や筋交いが出たままとは・・・。

高見 そうなんです。床材が選べるとか、全然そんなレベルじゃないんです!
構造以外のもの、ましてやデザインのためのようなものは、今の時点で一切ありません。

 

 


1_05高見
 「STUDY HOUSE」においては、壁を仕上げない状態で引き渡すことが、すごく重要なんです。
壁を仕上げてしまうことで、制約がいっぺんに増えるんですよ。壁をふさぐなら、その前に配線をしなきゃいけないから、コンセントや照明の位置が選べなくなるでしょ。壁にスピーカーを取付けたりすることも、この状態ならどこでも自由にできますよ。
それに、こだわってる方なら断熱材だって自分で選べます。

―― なるほど。確かに、そうですよね! 壁のあるなしで、自由度がまったく違うんですね。

 

 

高見 普通の建売住宅でもカスタマイズはできますけど、わざわざ仕上げてある壁を壊して工事することになりますよね。
それってすごくもったいないじゃない?
リフォームだって、既存の部分を壊す作業にかなりの費用が掛かるんですよ。
だったら、壁を張る前の状態で止めておけば無駄がないでしょっていう。

単純に、そういうことなんです(笑)。

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―― 見てびっくりしましたけど、そう聞くと、すごく理にかなってます!

・・・ですが自由度という点で言うと、FOMES designさんは日ごろから自由設計の注文住宅を手掛けていらっしゃいますよね。
ここでは注文住宅でなく、どうしてあえて途中まで作ったものを販売するというスタイルにしたんでしょうか?

高見 はい、その質問、よくわかります(笑)!
それはねえ・・・なんかすごくつくりたくなって、つくっちゃったからなんです!
つくっちゃったんだけど、僕たちにはすでに住む家があり住めないから誰か住まない?っていう、すごい単純な理由(笑)。

 

 


1_08―― そうなんですか?!

高見 この土地と、たまたま出合って以来なんだか気になって、ここにこんな家を建てたらいいだろうなって、もう妄想がウワーッとできちゃったんです。
そしたら、その妄想を現実につくってってみたくなるじゃない?職業病かな(笑)?

―― ああー、気持ちわかります。
注文住宅の設計で、構想を膨らませるのとはやっぱり違いますか?

高見 うーん、根本的な違いは、設計の折、施主さんが存在するか否かですね。
注文住宅は、いろんな要望がすでに提示された、あくまで決まった住む人のための家。
敷地条件から想像し、やはりガレージはビルトインで・・・とか、冬は暖かな薪ストーブなんてどう?なんて思っても、はなから興味のない人にとっては意味をもたないと思うんです。
このあたりは建築家さんによって力加減が違うと思いますが、僕としては、もちろんいろんな提案はしますけど、最終的には施主さんが望むものをつくりたいという考えです。

―― ええ。

 

 

高見 僕は家をつくるのが好きだけど、あくまでも、その家での主役は住人だと思うんです。
だから例えば施主さんと意見が違った場合でも、その方が「こうしてほしい」というと、どうにかその希望を叶えたくなっちゃう気持ちがありますね。
注文住宅の仕事というのは、与えられた予算と時間の中で、クライアントの要求に対してベストを尽くすことだと思うんです。

それに対して、「STUDY HOUSE」は、自分で要求を設定してつくる家。
僕とスタッフでコミュニケーションしながら、僕たちの視点で、「自分ならこんなふうに暮らしたいよね」「こんな家に住みたいよね」というものをつくってみました。
それが「あったらいいな、こんな暮らし。」という言葉に集約されているんです。

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1_10―― 『 「あったらいいな、こんな暮らし。」をコンセプトに、FOMES designの提案住宅をつくります。 』
とHPでうたわれていますね。
この「提案住宅」というのが、すなわちFOMES designさんがつくる建売スタイルの家ということ。

高見 そう。ま、ただの妄想好きなんです(笑)。

―― 施主の方にとっても、妄想することが家づくりの楽しさだと思いますよ。
その点で「大島ハウス」は、建売でありながら、ものすごく妄想の余地のある家ですよね!

高見 何もないですからね。ここからどうにでもできます。

近頃は、例えばマンションの内部をいったん空っぽにしてまるごとつくり変えるなんてことを、よく聞くようになりましたよね。
建物の構造体と、内装を別々に考える、いわゆる「スケルトン&インフィル」という考え方。
スケルトンが構造体、ハコの部分で、インフィルはその中身・・・設備や間仕切り壁といった内部一切を指します。

―― はい。中古マンションのリノベーションなど、最近ときどき耳にしますね。

 

 

高見 この「大島ハウス」は、スケルトンをこちらが考えてつくり、インフィルは住む方が考えてつくります。

これ、注文住宅でも同じことが言えるんですけど、家の内部については、どんなふうにしようが基本的には住む方の自由でいいと思うんです。でも、外観に関しては、建築家の建てる家なら、街並みに対する責任があると僕は思うんですよ。

―― ああー。
街並みの美しさにまで意識を払った家づくりというのは、建築家さんならではのものと言えますね。

 

 

高見 そう。
街を俯瞰から見下ろすと、1軒の住宅なんてひとつの点にすぎなくて。
その点である自分の敷地だけを見て、その中では好きなようにすればいいという考えもあるでしょうけど、正直「それでいいのかな」と悩むこともあります。
点と点がつながって線になり、線から面ができると考えると、街並みに配慮して作られた家が連なっていけば、素敵な街の景色ができるんじゃないかなと思うんです。

 

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―― やっぱり建築家として、最終的に目指す理想形は、美しい街並みということでしょうか。

高見 そうですね。大きい話になりますけど。

 だから「大島ハウス」では、スケルトンに関しては僕たちが、この土地と街並みに対してどういう在り方がふさわしいのかを、充分にスタディしてつくっています。
それでインフィルに関しては、自分たちの暮らしにとってどういう形がいいのか、住む方自身にスタディしてもらう。
そういう意味で「STUDY HOUSE」と名付けています。

 

 

―― なるほど。
高見さんたちの「あったらいいな、こんな暮らし」という純粋な思いを軸に、スケルトン&インフィル住宅の考え方や、街並みに配慮した家づくりを提案する「STUDY HOUSE」。
とてもおもしろそうです!

 

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文・吉田愛紀子

次回 2.「STUDY HOUSE」が生まれたわけ は5月20日(水)UP予定です。

 

 

株式会社 FOMES design

岡山県倉敷市本町 9-18
tel:086-423-5488
http://www.fomes.net

STUDY HOUSEについて詳しくは・・・ http://fomes.net/study-house.html

 

2.「STUDY HOUSE」が生まれたわけ →