1 建築家のしごと6~ぶらぶら会場を巡ろう

 

2019.06.04

岡山の建築家、14組による展覧会「建築家のしごと6」。

6回目となる今回は倉敷が会場となり、たくさんの催しが行われています。会場めぐりをしながら倉敷のことを再発見できる展覧会ということで、ieto.me編集局が会場となるギャラリーや路地を巡りなら、街歩きを楽しみました。その様子を紹介していきます。

ライター:松田祥子と、編集人:家戸美衣子の2人で巡りまーす。

 

いざ、しゅっぱーつ!

 

スタートは中央駐車場。横断歩道を渡って左に折れ、小道に入ります。
途中の駐車場で猫がお昼寝中。

松田「お天気も良くて、気持ちよさそう~」

 

黒色のカッコよい扉を見つけました。
建築家のしごと展の会場「滔々-とうとう-gallery2」です。

出迎えてくださったのは、本德建築設計事務所の本徳彰士さん。

 

個性豊かなアイデアの数々 【滔々-とうとう-gallery2】

 

本徳「この会場では9組の建築家が倉敷の街をより豊かにするためのアイデアを提案しています」

それぞれタイトルがついてますね。
街をテーマパークに、風景をつくる手すり、境界の余白など、いろんなテーマがあっておもしろい。

 

あ、「空き家でPOPOS」は、ARTBOX建築工房の野田さんの展示です。

松田「このPOPOSって?」

家戸「ええっと、プライベートリー オウンド パブリック オープン スペース…。
民間が所有している公的なオープンスペースのこと、と書いてありますね」

増えている空き家を活用して、井戸端会議の場にしたり、学校の宿題をしたり、
まわりの景色を眺めてボーっとする場にしたり…と。ふむふむ、

松田「この走り書き、頭の中を覗いているみたい!」

家戸「こんな感じで仕事するのかな」

松田「いっぱいお喋りしている感じが、おもしろいですね」

 

家戸「あれ、布に文字が書いてある?これは…」

本徳「テンキュウカズノリ設計室の天久さんの『神話から文化、産業へ』ですね」

松田「これは、地図ですか?」

本徳「そうです。ここが倉敷。昔と現在の違い、分かります? 阿知神社のある鶴形山は島だったんですよ」

松田「今いるここも昔は海だったってこと?」

家戸「長い歴史の中で埋め立てられていったんだ」

家戸「比べてみると分かりやすい。こんなに土地が広がってる!」

松田「そう考えると、自ら手を加えて、自分の住む土地をつくっていったわけですね」

 

入り口近くに展示されていたのが本徳さんの「水路」です。
ここから覗いてみると、実際の目線で眺めているような感覚に。

家戸「大人も子どももいる!」

本徳「広い水路はガードレールがあって整備されていると思うんですけど、
倉敷の水路は道幅が狭くて囲まれている感じがあるんです」

松田「こういった場所、ありますね。その情景が浮かんできます」

本徳「身近にどこでもある水路だと思うんですけど、水路に沿って人が集まってきて、
くつろいだり、交流したり、実用性だけじゃないところで考えてみたら楽しいかなと思っていて」

家戸「水が流れる音っていいよね。癒されるし」

本徳「今は魚とりしないかもしれませんが、自分はよくしてました」

松田「私も小さい頃よくしてましたよ(笑)」

松田「身近なところから瀬戸内地方歴史までテーマの幅が広いですね」

家戸「いろいろあっておもしろい!」

他の建築家の皆さんの視点もとても興味深いものばかり。
なになに、これは何だろう!?と覗き込んで見ていました。

本徳「分かりやすいもの、そうじゃないもの、いろいろあると思いますが、見る人の主観で楽しんでもらえたらいいなと思います」

松田・家戸「ありがとうございましたー」

【街をいきいきとするアイデアの提案】
滔々-とうとう- gallery2(入場無料)

〈展示している設計事務所〉
 ARTBOX建築工房
 ケンチックス
 竹下和宏建築設計事務所
 TENK
 NEWTRAL DESIGN
 ヒューマンアーキテクツ
 本德建築設計事務所
 ヤマグチ建築デザイン
 山本圭一建築事務所

 

つづく

つぎへ→ 2 抜け道いっぱい! 路地を楽しもう
 

 

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