第1回 5.「好き」のたのしみ。
2014.12.29
――:しばらくの間、松井夫妻と編集とで、車オタクトークが繰り広げられていました(笑)。
松井:…ごめんね、わかんないよね。おかしい人たちの会話だから(笑)。
――:…いえ、ある意味かなりおもしろかったです(笑)。
マニアックであればあるほど、こだわりのポイントが細かければ細かいほど、
誰かとわかちあえるとうれしいですよね!それは私にもすっごくわかります。
めちゃくちゃ楽しそうで、なんかうらやましいなあと思いました!
松井:いや楽しかった。ほんとすいませんね、車のことになるとネジが外れちゃう。
――:だいたい「好き」って一定以上までいくと若干マヌケですよね。
でも、なにかを好きすぎて自分でもバカじゃないかって思う感じ、キライじゃないです(笑)。
千田:あー、食べることでもそういうのあるかも(笑)。
――:わ、その話聞きたい!
千田:この間、ラザニアがどうしても食べたくって作ることにしたんだけど。
ラザニアって、ソースもホワイトとミートの2種類必要で、全部手作りしようと思ったらすっごく手間が掛かるんですよ。
生地を手打ちして、ソースは前の晩から仕込んだから、それこそ丸1日以上かかりましたよね。
で、ついにできあがってワーイって食べ始めたんだけど、いってもせいぜい15分とかで食べ終わるじゃないですか!
おいしかったけど、さすがに自分でも「なにやっとんじゃ」って思いました(笑)。
松井:だいたいこの人、めちゃくちゃ忙しいときに限ってそういうことするよね(笑)。
あと、買い物でもなんかおかしくなってるときがある。
千田:ああ~。
私たち、ちょっと用事で県外に行くときとか、産直の店みたいなのがあったら必ず寄っていくんですよ。
――:はい。その土地土地の、道の駅とか産直店、楽しいですよね。
千田:そしたらもう、あれもこれも買いたいものがわーってある状況に、我を忘れてトランス状態(笑)。
これでこんなの作ったらどうかな、この野菜どうやって使うんだろう、早く試してみたいー!!って、もうメインの行き先はどうでもよくなって一刻も早く家に帰りたくなっちゃうっていう。
それいつも困るんですよねえ。
ときめく野菜に出会ってすごい胸がドキドキしたりして。
そんな自分、おかしいですよね。
――:野菜に悶絶。いいですねー!
千田:…でも私とかより、ほんとにおいしい野菜が好きで、それを作る農家さんのことまで大好きで、「援農」っていって農家の手伝いに行ったり、自分で農業を始めたりっていう人たちが周りにいるんですよ。
そういう人たちと話してると、すごいおもしろいよね。
松井:そうそう。ちょっとおすすめしてくれるにしても、熱意がすごいよね。
「食べる30分前に冷蔵庫で冷やしてね、30分よ、冷やし過ぎは絶対ダメよ」って、もうわかったからっていう (笑)。
この愛しい野菜たちをなんとしても一番おいしい状態で食べてもらいたいっていう気持ちが、グイグイ来るんです。
――:そういう方に出会うと、気持ちがいいですよね!
愛情がほとばしってるんでしょうね。野菜にも、相手にも。
千田:借り物じゃない、自分の言葉で語ってくれてるのがわかるから。
その子が勧めるんだったら少々値段が高くても買いたいなって思うし、人に贈るんだったらその子から買って贈りたいなって思う。
松井:農業だって実際はきつい仕事で、いろんな大変なことだってあるんだろうけど、ほんとに好きでやってるのが伝わるから「なんかいいなあ」って見えるんだよね。
――:その話題ならいくらでもしゃべれるものがある、借り物じゃなく自分の言葉で語れるものがあるって、すごく楽しいことですよね。
松井さんたちも、まさにそうなんだと思います。
松井:そうなのかな?
ま、いろいろあるけど、好きなことは楽しいからね。
――:…ふう、そろそろお腹もいっぱいになりました!
ごちそうさまでしたー!
本当に、今日はありがとうございました。
松井・千田:また遊びに来てね!
2014年8月 取材
文:吉田愛紀子
キャプション:編集A
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陶工房ゆうらぼ
千田稚子さん、三宅史家さんの女性ふたりで開くやきもの 工房。
個々に制作・発表の活動を行いながら、 陶芸教室、 ゆうらぼとしての器展を共同で開いています。
岡山市中区藤崎497-3 tel.086-277-8076
http://ww61.tiki.ne.jp/~yu-lab/