3 建築家のしごと6~ぶらぶら会場を巡ろう

 

2019.06.04

巡る人:ライター 松田祥子 & 編集 家戸美衣子

たまには下を歩いてみよう!

 

平野「倉敷って海を埋め立ててできているから、水路網が発達していて、それとともに歩くところができて、その水路が埋められて道になっていったり」

松田「それで路地が多いんですか」

平野「それもあります」

平野「ここには以前堀があって、埋め立てて通路にしているんです。この石畳があるところが船着き場。石段から降りて荷物をあげていたんじゃないかと」

松田「ほぉー」

家戸「今までそんな風に道を眺めたことなかったから、おもしろい!」                                                                       

平野「これは橋だったところですね。水路がこっちに流れていて、ここは人が通る橋でした」

松田「確かにここの部分だけ、ほかと違ってる」

平野「堀があったところ。昭和初期の写真と比べてみるとよく分かります」

松田「ここの場所なんだ」

家戸「堀が残ってる!」

平野「建物もいくつか残ってますね」

平野「僕のお願いを聞いてもらっていいですか?」

松田・家戸「な、なんですか?」

平野「船に乗ってみません? 倉敷にいながら一度も乗ったことなくて。いつか乗ってみたいと思ってて」

松田「いいですね」

家戸「乗ってみましょう」

 

松田「柳の緑色が水面に映ってきれい」

家戸「白鳥があんなに近くに」

 

松田「水面から眺める街の景色って、また違った感じですね」

家戸「道路より下から眺めることってないもんなー」

松田「ゆったりと静かな時間。あー癒されるーーー」

 

平野「ここの道は倉敷川の砂をとってコンクリートの洗い出しをしているので、ほら、よく見ると陶器の欠片があったり、ガラスがあったり」

松田「あ、きれいな色」

家戸「これ、ガラス?」

平野「そうです」

松田「洗い出しってなんですか?」

平野「コンクリートはそのままだとツルっとした表面ですが、
石などを混ぜておいて、硬くなる直前に水洗いして中にある石を浮き出させるんです。
するとこんな味わいのある道になります」

松田「確かに向こう側とこっちとでは道路の感じが違いますね」

家戸「気にして歩いたことなかった…」

平野「かなりマニアックですが(笑)、そういったものを探して歩くのも楽しいですよ」

 

ぶらぶら歩いているうちに、チラシのイラストになっている倉敷公民館にやってきました。
6月8日(土)はワークショップの会場になります。
建築探訪も、ここからスタートですよ。

松田「この倉敷公民館の先はほとんど通ったことがありませんでした」

家戸「私もです」

平野「そうでしょ。普段使われてない路地をもっと活用できたら、新しい発見があったり、街歩きが楽しくなると思います」

 

つづく

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