1. 新築の家づくり、何から始めればいいの
2023.04.20
家づくりはわからないことだらけ!!次々と現れるハテナの群れ!誰かに教えてもらえたら… そんな悩みを解消すべく建築家に相談してみました。答えてくれるのは、本德建築設計事務所の代表・本德彰士さん。専門知識の解説の他にも建築家の視点から良い方向に進めるよう一緒に考えてくれます。
1. 教えて本德さん! 新築の家づくり、何から始めればいいの?
家づくり。何から始めればいいの?時々質問されることがありますが、まず最初はこれから!といった正解のようなものはありません。
大抵の方が家を建てるという経験は初めてだと思います。建てたい人の背景はそれぞれ、考えている事も皆、多様ですね。
僕が今まで、家づくりで見てきたこと経験してきたことを数回に分けて書いていくので、これから家づくりを計画しようかと考えている方にはヒントになることがあるかもしれません。
僕の主観によるところが大きいかもしれませんが温かい目で読んで頂けたら幸いです。
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家がほしい(建てたい)!という方をグループに分けてみました。
①土地をすでに持っており、どんな建物を建てようかと考えている人。
②土地も建物も持っておらず、どこに暮らしどんな建物を建てようかと考えている人。
③建売住宅を購入しようかと考えている人。
大きく分けるとこの3つかなと。今回は①と②の、どんな建物を建てようかと夢を膨らませている方について、書かせてもらいます。
①の方は敷地という条件があるので進めやすいですね。土地をすでに持っているので建物について考えていけばよいかと思います。ただし、もともと田んぼだった場所に建てたい、実家の横に建てたい、と考えている方は建てる時に条件がついたり、場合によっては建てれないケースがあります。この件につきましては次回以降に触れたいと思います。
②の方は暮らす地域のことが大きく関わってくるため、建物より決断が難しいかもしれません。職場の通勤距離や子供がいる家庭なら学区のこと。近隣の環境や交通のこと。
気に入った土地が見つかれば、永く住み続ける事をイメージするのがよいかもしれません。ただ、土地の難しいのが、気に入った場所が見つかっても願っていた条件と少し異なっていたり、自分より先に目をつけていた人がいたりと運とタイミングもあります。不動産情報は常に動いているものなのでアンテナを張っておく事が必要ですね。
インターネットで検索したり雑誌を見たけど、いい場所が見つからない、でも住みたい地域や場所のイメージはある。こういった方は自分の足で探すのも一つです。住みたい地域の地元不動産を訪ねて聞いてみる、もしくは本当に歩いて探す、気に入った場所を見つけて、散歩している人に聞いたことで購入に繋がった。こういった例は幾つか見てきており、バイタリティあるなぁ~とこちらが感心してしまいます。
もちろん設計士や建設会社を通じて探すというのも方法の一つです。
①と②のどんな建物を建てようかと考えている方。
一番の楽しみなところですよね、やはり夢が膨らみます。ただ、現実に引き戻される事もあります(笑)
今まで出会ってきた中では、かなり具体的にイメージをしている方もおり、ご自身で絵や図面を書いてきている方もいました。
もしくは具体的なイメージはなくても、今まで自身で経験されてきた事や見てきた物で直感的に「いいね」と思ってることがあるかもしれませんね。写真や動画や旅先で。あるいは雰囲気や居心地といったことなど。少し具体的な事を言えば間取りやデザインや性能についても。その事を言葉で伝えて頂いたり、ノートやファイル、スマートフォンやタブレットで見せて頂いたこともあります。
最後に、感覚や考え方が合いそうな人(設計士や建設会社)を探すということも大切な要素なだと思っています。自身の伝えたい事を汲み取ってくれたり進め方が自分に合っているかなど、家づくりは長い時間となりますので。(建ててからも)
家づくりは大きな買い物となり、多くの時間やエネルギーも使いますが、暮らしを考える中で新たな発見や気付きもあるかと思います。なにより新しい住まいが出来てからのうれしさ。
多くの時間を使うと思いますが、せっかくなら楽しみながら取り組んでほしいものです。
文:本德彰士
【本德さんプロフィール】
本德彰士 HONTOKU AKIHITO 一級建築士
岡山県内を中心に、住宅の設計を主として活動する設計事務所「本德建築設計事務所」代表。
本德建築設計事務所 WORKS
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他