2. 土地のこと
2023.08.24
家づくりはわからないことだらけ!!次々と現れるハテナの群れ!誰かに教えてもらえたら… そんな悩みを解消すべく建築家に相談してみました。答えてくれるのは、本德建築設計事務所の代表・本德彰士さん。専門知識の解説の他にも建築家の視点から良い方向に進めるよう一緒に考えてくれます。
2. 教えて! 土地のこと
当たり前の事になりますが、建築物とは土地に定着しています。
家を建てる人は、どこかの土地に建物を建てる訳ですが、購入するのか、持っている土地に建てるのか。建てたい場所があっても、そもそも家が建つのか。
今回はこういった土地について幾つか質問を受けているので答えたいと思います。
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都市計画区域と市街化調整区域について
都市計画区域は都市計画法の適用を受ける区域です。言葉にすると分かりにくいですね。一般的に見れば、道があり建物が建っている地域なので家も建てやすい区域です。
都市計画区域外もあるのですが、言葉の通り都市計画の適用を受けない区域です。市街地から離れた地域が多いのですが、道路も整備され、家を建てやすい地域もあります。
市街化調整区域は、行政が市街化を抑制している地域です、田んぼなどがある地域が多いですね。家が建てれない、もしくは建てる場合に許可手続きが必要となります。田んぼ等に建てる場合は、土地の整備も必要になるので協議や申請が必要になってきます。
用途地域について
不動産情報を見ると必ず書いていると思います。
都市計画区域内に用途地域が設定されています。用途地域が書いているということは都市計画区域になるので家を建てるということについては心配ないですね。
住居系、商業系、工業系に分類されますが、不動産情報に出ているのは大抵が住居系。商業系、工業系はちらほらと。工業専用地域を除き基本的には家は建てられます。
店舗併用住宅を考えている方は、低層住居専用地域は店舗部分の大きさ等に制約もあるため注意した方がよいかもしれません。
防火地域、準防火地域について
これは言葉を見れば想像しやすいですね。家を建てる際には防火対策を施さなければなりません。(防火対策の一例を挙げると、窓の網入りガラスですね。)
防火地域だと鉄骨造・RCが多く準防火地域だと木造の建物も比較的建っているように思います。(私の主観ですが)
建築条件付き土地とは?
建築条件付きとは、建てる建築会社が決まっているということです。土地を決めると建物を建てる建築会社も同時に決まります。
旗竿地とは?
名前の通り旗の形をした土地です。
比較的家が密集した地域にありますね。旗の持ち手の部分が道のようになり、旗の部分に建物を建てるということが多いと思います。(持ち手部分の先が道路と繋がっているはずです)
建物を建てる場合、そもそも道に接しているというのが大前提になるため、こういった旗竿地が生まれます。車の駐車などが要注意ですね。
道について
旗竿地でも触れましたが、建物を建てる場合は道に接しているというのが大前提です。(2m以上)
仕事をしていると、道に見えるが道ではない。(私有地)ということを経験したこともあります。
道と土地の間に水路があり小さな橋が必要になる。こういった時は行政に問い合わせたりしています。
設計する側としては、密集地などは土地に接道があるのか。道路の幅は?などがものすごく気になります。
普段、仕事をしていると、どんな土地がいいと思いますか?と漠然とした感じで質問されることがあります。
少し前に読んだ本で昔の人は家を建てる時は、まず土地から。といったことを目にしました。
地盤は安定しているか、水害はないか、暴風は?
そういったことに対して建築する際に対策を施すというのはもちろんですが、土地の歴史を調べる、といったことも大事かなと思います。最近は行政のホームページからも調べやすいようになってきました。
今回はQ&Aみたいな形になりましたが、土地のこと家のこと少しでも参考になれば幸いです。
文:本德彰士
【本德さんプロフィール】
本德彰士 HONTOKU AKIHITO 一級建築士
岡山県内を中心に、住宅の設計を主として活動する設計事務所「本德建築設計事務所」代表。
本德建築設計事務所 WORKS
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他