3. 建物のこと
2023.12.21
家づくりはわからないことだらけ!!次々と現れるハテナの群れ!誰かに教えてもらえたら… そんな悩みを解消すべく建築家に相談してみました。答えてくれるのは、本德建築設計事務所の代表・本德彰士さん。専門知識の解説の他にも建築家の視点から良い方向に進めるよう一緒に考えてくれます。
2. 教えて! 建物のこと
前回までで家づくりの概要、そして土地のことについて書かせてもらったので 今回は建物のことに触れていきたいと思います。
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地盤について
前回の土地の事と少し関連がありますが、建てる場所によって強い地盤、弱い地盤があります。
建物の建てる場所を調査することで地盤の強弱が判定されます。
強い地盤は安定してます。弱い地盤だと家を建てるためには地盤補強を行う必要があります。
これを聞くと地盤が強い土地がいい、と誰もが思うはずです。地盤だけでなく、その他の災害も避けたいところです。
家を建てるのに土地を探す。という方は安定した土地を探すというのもひとつの考え方だと思います。Web サイトでも岡山県の地盤を検索すれば、ある程度調べることはできます。
オール電化について
文字通り、住宅のエネルギーがすべて電気ということです。ガスコンロやガス給湯器を使わない家ですね。
コスト面の比較を言われることも多いのですが、ガスの方が導入時が安く、月々の使用量が高いと言われています。ガスも都市ガスとプロパンガスで異なってくるのですが。
ちなみに都市ガスはガス菅が埋設になるためガスメーターだけが建物につき、プロパンガスはガスボンベが家に設置となります。電化だと電気温水器の設置です。
個人的な意見として言えばガスコンロを使うかIH を使うかで判断してみては?と伝えております。
省エネのこと
最近というか、ここ数年よく耳にしますね。それにこれは分かりやすいですね。
例でいうと冷暖房器具を運転した時に、少ない電力で効率よく運転できるような住宅です。
もう少し具体的に言えば、性能の高い断熱材や窓を入れたりすることです。
窓を省エネといっても窓の種類は数多くあります。おそらく設計側が、これぐらいの仕様と思っていることがあるはずなので、説明をしてくれると思いますし、よく聞いてみることですね。
耐震について
文字で考えると震えに耐える。地震に強い家です。
基本的な考えとしていえば家は耐震のことを考えて建てられています。+アルファを望む方は打ち合わせの最初から伝えておいた方がよいと思います。
まれに免震や制振について聞かれることもあるのですが、免震や制振といった技術は住宅より大きな建物に採用されていることの方が多いように思います。
住まい手としては、強い家を建てたいといえば設計側から何らかの方法を提案されると思うので、それを聞いてみるのがよいと思います。
補助金などの制度について
省エネも耐震も一定の水準をクリアすれば、補助金があったり(⾧期優良住宅など)、銀行の金利、地震保険などの優遇措置があったりします。
一定の水準をクリアと書きましたが、行政や民間の機関に申請が必要なので審査をクリアすれば書面が交付されます。
仕様が高い建物は建築費用にも跳ね返ってくるのですが、すでに打ち合わせが進んでいる方は自分の建物が適合できるのか聞いてみるのはよいかもしれません。
近年、省エネ関連の制度のことは私もよく聞かれます。
省エネや耐震といったとても大事なことを書かせてもらいましたが、補助金制度などはあくまで基本からの付加的なものだと思います。
しかしながら暮らしやすいという家の基本を考えていけば、おのずと省エネなどにも配慮した住宅になるかと思います。
文:本德彰士
【本德さんプロフィール】
本德彰士 HONTOKU AKIHITO 一級建築士
岡山県内を中心に、住宅の設計を主として活動する設計事務所「本德建築設計事務所」代表。
本德建築設計事務所 WORKS
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