4. お金のこと
2024.04.18
家づくりはわからないことだらけ!!次々と現れるハテナの群れ!誰かに教えてもらえたら… そんな悩みを解消すべく建築家に相談してみました。答えてくれるのは、本德建築設計事務所の代表・本德彰士さん。専門知識の解説の他にも建築家の視点から良い方向に進めるよう一緒に考えてくれます。
4. 教えて! お金のこと
今回は建物に関連するお金のことについて触れていきたいと思います。
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写真「表町の住まい~マンション一室の改修~」設計:本德建築設計事務所
予算について
近年の物価高は最近のニュースでも報道されている通り建築業界も影響を受けております。一時期ウッドショック(木材の価格の高騰)と言われていましたが、木材の価格は落ち着き、他の製品の値上がりが続いています。住宅設備、ガラス、コンクリート。。。
物価高だけだなく、素材や品質の向上で反映されている部分もあるのですが。
自分の建てたい家を少しでも費用を抑えて。というのは誰しもが思うところです。全体費用を見て、自己資金や住宅ローンの検討が今まで以上に必要になってきますね。
住宅ローンについて
建築業者を通じて紹介してもらう場合もあれば、個人で銀行のローンセンターに行く方もいます。ざっくりとした借り入れの額や年数だけでも相談にのってくれると思います。
建物や土地の図面、概算の建築費用が分かれば、さらに具体的な形で提案してくれると思います。
坪単価ついて
坪単価は建物の費用の指針にされる事が多いですね。坪単価が◯◯万円だから、大きさを乗じて建物の費用の概算を知るといった形で。
坪単価の考え方で、諸経費関連や外構工事、地盤改良工事、消費税などを含まず考える場合があるので、坪単価の高い安いに左右されず費用の内訳や全体の数字をよく見ることが大事だと思います。
また、大きさは同じでも建物の形や作りで費用は変わってきます。例えでよく言われるのが平屋は坪単価が高くなりやすい。理由のひとつとして、基礎や屋根が大きくなりやすいので、その分費用に反映されるということです。外壁の仕上げや床の素材、単価の違いで費用も随分と変わってきます。単価の内訳を知ることで費用について、価格の高い安いの理由も見えてくると思います。
固定資産税や火災保険について
税については土地や建物の評価で変わってきます。詳しく知りたいという方は土地や建物を管轄している市役所などに聞いてみるのもよいと思います。
火災保険については、保険会社の様々な商品があると思うので、よく見比べてみることだと思います。近年のことをいうと地震保険なども検討されている方が多いように思います。
ちなみに、、、前回で耐震や省エネについて触れましたが、長期優良住宅などの耐震に優れた住宅は、こういった税や保険で優遇措置があったりします。
尚、火災保険加入は建物の引き渡しと同時のタイミングになるため建築中に検討が必要になってきます。
メンテナンスについて
家は建てた時が新しく、年数が経つと古くなっていきます。
年数が経つと、トイレや食洗機が壊れた。ドアの丁番や鍵が壊れたといった相談を受けることがあります。使用頻度の高い箇所は傷んできますね。
外壁や屋根も相談を受けることが多いです。10年置きにメンテナンスを、というのが理想ですが、日々の忙しさや費用面などで後回しになっていくことが多いように思います。大切なことなので、暮らしの中のタイミングで行ってもらいたいものです。
家を建てようと思った際に、心配ごとと言えばお金のことだと思います。
建てるための関連する費用まで合計すると、大きな額になります。予算書をはじめて見るとびっくりするかもしれません。
ただ何度か見直したり、内訳を見ると費用のことが分かってくると思います。
そうすることで、合計をこれぐらいにして月々の支払いは〇〇万円や、費用はかかるけど自分の好きな家を建てたいなど、建てるためのお金というのが見えてくるかと思います。
文:本德彰士
【本德さんプロフィール】
本德彰士 HONTOKU AKIHITO 一級建築士
岡山県内を中心に、住宅の設計を主として活動する設計事務所「本德建築設計事務所」代表。
本德建築設計事務所 WORKS
桜が丘の住宅
「く」の字の住宅
祐安の住宅
表町の住まい~マンション一室の改修~
他