5. リフォームのこと

2024.08.22


家づくりはわからないことだらけ!!次々と現れるハテナの群れ!誰かに教えてもらえたら… そんな悩みを解消すべく建築家に相談してみました。答えてくれるのは、本德建築設計事務所の代表・本德彰士さん。専門知識の解説の他にも建築家の視点から良い方向に進めるよう一緒に考えてくれます。


 

 

5. 教えて! リフォームのこと

 

前回までは新築の建物について Q&A形式で書かせてもらいましたが、今回はリフォームの事について綴っていきます。
リフォーム、リノベーション、改装、改修など様々な言葉がありますが、共通するのは建物を直すということですね。(工事の大小はあるにしても)
それぞれの言葉の定義は少し置いておいて、今回は家を直す事について書かせてもらいます。

今まで多くのケースを見てきましたがリフォームの場合、根本から直すか、仕上げ面を直す(変える)の、どちらかに大別できるのかと思っています。
根本から直すというのは、間取りを大きく変える、耐震補強を行う、雨漏れや白蟻で傷んだ外壁や屋根を一式(構造材・下地材・外装材)新しくするなど、解体工事が伴うリフォームが大半です。
仕上げ面を直す(変える)というのは傷んだ壁紙を張り替える、外壁や屋根を塗り替える、水回り(キッチン、トイレ、お風呂)を新しくするなど、解体工事が比較的少ない工事です。
家をリフォームするといっても根本から直すのか仕上げ面を直すのかで大きく異なってきます。
その事を踏まえつつ質問に答えていきたいと思います。

 

※ 写真をクリックすると他の写真も見ることができます


写真「Y-HOUSE(Re)」設計:本德建築設計事務所

 

リフォームは不可能で建て替えるしかない場合の特徴・状態を知りたい

私の主観もありますが基本的にはリフォームが不可能な建物はないと思っています。しかし建物の傷みが大きく根本から直す必要があり費用が大きくなる、もしくは間取りを変えたり傷んだところを全部直そうと思ったら想定しているより予算が膨らんでしまった、それなら建て替えたい。現実にはリフォームから建て替えへの変更は費用面によるところが多いように思います。

 

リフォーム向き、不向きの建物はありますか?(戸建て)

木造の建物の方が間取りの変更などの自由度は高いと思います。
有名ハウスメーカーの軽量鉄骨造だと外部の窓の位置が変えにくかったり、外装材の変更が難しい場合があります。外部は変更できにくいですが、室内は柱が少なく比較的自由に計画できると思います 。

 


写真「H-HOUSE(Re)」設計:本德建築設計事務所

 

マンションのリフォームだと、どのように進めますか?(マンションの一室の事です)

工事の時にマンションの共用部(廊下やEV)を使う必要が出るので管理会社との調整が必要です。また、工事内容についても要相談になる場合があります。(サッシや玄関扉などは不可だと思います。)過去の経験では遮音に対応した床材の採用というのがありました。マンションの規約があると思うので要相談ですね。

 


写真「表町の住まい~マンション一室の改修~」設計:本德建築設計事務所

 

建物を増築する場合は?

規模や建て方にもよりますが、もともとの建物との兼ね合いがあると思うので既存の建物との関係性が大事だと思います。法的な問題が出てくる場合があるので専門家に相談する事をお勧めしています。

 

建物を減築する場合は?

どこで減築するかを検討する必要があります。木造の建物の場合は、間取りや構造などを考慮し減築しやすい箇所というのがあると思います。
有名ハウスメーカーの軽量鉄骨造の建物は減築は難しいのでは?と思います。

 

建築家に依頼すると良い場合のリフォームは? 建築家の手掛けるリフォームの特徴は?(施工業者に頼むリフォームとの違い)

工事業者とは別に設計監理をする建築家がいると設計はもちろんですが点検・確認という意味でもメリットはあると思います。
家を直すということはもちろんですが、間取り変更やインテリアの一新を考えている方は、構造面・使い勝手・デザインなどトータルで提案できる建築家の検討をお勧めします。

 


写真「祐安の住宅」設計:本德建築設計事務所

 

文:本德彰士

 

 

【本德さんプロフィール】

本德彰士 HONTOKU AKIHITO 一級建築士
岡山県内を中心に、住宅の設計を主として活動する設計事務所「本德建築設計事務所」代表。

本德建築設計事務所 WORKS
桜が丘の住宅
「く」の字の住宅
祐安の住宅
表町の住まい~マンション一室の改修~

ピックアップ記事

関連記事一覧