その4 栄養たっぷりの伝統食「酒粕」
2018-02-22
一年のうちで寒さがピークを迎える1月下旬〜2月。
この時期に出回るものといえば、しぼったばかりのフレッシュな新酒。
合わせて、新酒をしぼった翌日にでる副産物の「酒粕」も、蔵の個性が味わえる楽しみな食材だ。
最近は甘酒ブームの影響で酒粕の効用も見直され、新酒だけでなくこちらも心待ちにするファンは多いよう。タンパク質や食物繊維、ビタミンB群などが驚くほど豊富に含まれているので冬場の滋養食にはもってこい。粕汁にすると旨味がぐっと加わり、体が芯からあったまる。
もともと日本酒の醪(もろみ)には、微生物の働きで糖化発酵の過程でさまざまな種類のアミノ酸や乳酸菌が生成される。それらのほとんどが酒をしぼった際に酒粕に移行するのだから、粕といえど、機能性ではむしろこちらが主役。
吟醸粕のように酵母が生きている酒粕ならば(フレッシュなものに限る!)熱を加えずに、りんごジュースやバナナと一緒に、ミキサーにかけそのまま酵母ドリンクとして飲むのもアリ!?
表面を焼いて砂糖をふりかけてそのまま食べてもよし、
みりんなどで甘みをつけて粕漬けの材料にするもよし、
はたまたドレッシングの材料にするもよし。
幅広く料理に使えて、カロリー控えめ。
酒粕パワーで残りの冬を乗り切りながら、だんだん近づく春を待ちわびたい。
豚肉または鮭、それに好きな根菜を入れて、溶いた酒粕と味噌で味付け
■酒粕
写真に使ったのは、「開運」(静岡・土井酒造場)の酒粕。
蔵から出る酒粕は大きく分けて板粕と留粕の2種類。留粕は板粕をタンクに戻し半年ほど再発酵させたもの。色が茶色で奈良漬などに使われます。しぼったお酒の種類によって酒粕にも違いがあるので、お料理に合わせて使い分けをすると楽しいです。米がよく溶けた純米や本醸造の酒粕は旨味が多く味がしっかりめ。逆に米を溶かしきらない高級酒(吟醸酒など)の酒粕はデリケートな甘みと華やかな香りが特徴です。やわらかいものがあれば、あえものなどにも最適です。
酒粕から甘酒を作る場合は、前の晩に板粕を水に浸しておいてふやかしてから使うと簡単にできますよ(お砂糖はお好みで)。
文:酒のみむら|三村佳代子
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