【ブログ 古民家再生】 倉敷てまり会工房+住宅編 1/3

2021.07.12

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「古民家再生 ― 倉敷てまり会工房+住宅」

その現場の再生工事の過程を記録しました。

「古民家再生」と言葉で知っていても、
実際がどうなのか詳しく知りませんでした。

今回、既存物件の解体から完成見学会開催まで
約半年間拝見し記録写真を撮影しました。

現場を見せていただくことでわかることが沢山ありました。
なにより、職人の方々の仕事に感銘を受けました。
私たちも見習っていきたい。そう思いながら撮らせていただきました。

古民家再生を検討されている方にお役に立てれば幸いです。

 

設計:平野建築設計室
施工:有限会社 住まいの伏見

 


 

● Before 工事前の建物

屋根はトタンで直した部分もあります。母屋の奥には離れが建っていました。
広い玄関とその先に和室。室内は部屋数の多い間取りでした。
窓のない部屋は襖を閉めると暗くなります。

 

 

 

● 離れの解体

工事は、離れと母屋の一部、そして母屋内部の解体から始まりました。
母屋が長持ちするように、風通しを良くするため裏にあった離れを解体します。
裏は道が細い為、重機が入りませんでした。なので、すべて人の手で解体していきます。
解体の際、良い材や母屋の再生に使えるものは残しておきます。
大工さんが良い仕事をしていた証は、解体してわかるものもあると職人さんに教えていただきました。

 

 

 

 

 

● 母屋の解体

離れと同時期に母屋の再生する部分の解体も始まりました。
こちらも大工さんが手作業で行います。
キッチンの取り外しや天井、壁、床などを解体します。
土壁なので、廃棄の分別もされていました。
今回、工事をしない部屋もあるので丁寧な作業が必要となります。
見事に解体されると、天井裏には煤竹、床下には囲炉裏の跡が現れました。

 

 

 

 

● 離れの解体 完了・運び出し

2階建ての上部から始めた解体も、建物すべて終わりました。
必要なもの、不要なものがきちんと分けて置かれています。
廃棄するものは軽トラとトラックで運びます。
無くなると見えてくるものも。
隣に建つ蔵の壁には上向きの矢印のような跡が。
これはかつて、家の周りを囲っていた塀の跡ではないかとのことでした。

 

 

 

● 母屋の基礎工事

床下には排水管が通っており、悪影響が無いように湿気対策の工事がされました。
コンクリートの周囲に防水シートが見えます。
以前の床下よりずっと安心できる姿に変貌。
新しい配管工事もされていました。

 

 

 

● 母屋の補強工事

床の工事が始まっています。
床板を支える木材「根太(ねだ)」が沢山並んでいます。
新しい柱も立ち、随分変化しました。
工事の始まりに、その場にある材料で大工さんがパパっと作られた作業場に、柱が積まれていました。

 

 

 

 

● 増築部分 遣り方

裏の離れの跡に新しく作る増築部分の位置に杭で印が。ここに水廻りが出来ます。
脇には離れで使われていた大きな石が沢山。
梅雨明け間近、元気に走り回るお子さんの汗ばむ額が可愛らしい。
いつか大きくなって、工事の時のことを思い出す日が来るのかな。

 

 

 

● 増築工事

2週間後お邪魔したら、増築部分の工事がかなり進んでいました。
近くに行くと、キレイだなぁと見とれてしまいました。
基礎の部分には、離れの石が使われています。
破風板(はふいた)がゆらりと湾曲しています。かっこいい。
作業場では、玄関の下屋根(げやね)を支える「持ち送り」が、昔のものに合わせて作られていました。

 

 

 

 

つづく

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