【ブログ 古民家再生】 倉敷てまり会工房+住宅編 3/3

2021.07.14

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「古民家再生 ― 倉敷てまり会工房+住宅」
現場の再生工事の記録 その3です。

 

設計:平野建築設計室
施工:有限会社 住まいの伏見

 


 

● 外まわり工事完成 玄関タイル貼り 内部完成

12月27日、あと数日で引き渡しとなり、最終作業がもう少しという状況です。
外まわりは完成。中も殆どが終わりました。
玄関扉には、解体の時に出てきた煤竹が使われています。
玄関の内側にはタイルがはめ込まれてあり、目地を埋める準備がされています。
キッチンにはカラフルな引き出しが。最後の塗装はこれからでした。
キッチン脇のダイニングテーブルは解体した離れの床板を使っています。
建具もすべて納まり、場の雰囲気が引き締まります。
福山から嫁いできた建具も、素敵な食器棚となりました。

 

 

  

 

 

長く住み続けることができるように、風が通る空間づくりをされています。
確かに、各部屋もちろん仕切ることもできますが、開け放つと風の邪魔をするものがありません。
この日、ご主人は無事、本棚の棚板をすべて塗り終わりました。

 

 

 

● 完成見学会

年が明けて、1月末に完成見学会が行われました。
少しご無沙汰して訪れると、「現場」から「住まい」に変身していました。
住まいといっても工房も兼ねた建物。凛とした雰囲気もあり、公私が心地よく織り交ぜられた素敵な空間です。
玄関を入ると倉敷てまりの展示スペースが。軽い打ち合わせならできそうな広さです。
和室の続き間はてまりの作業スペースです。
庭に面した板の間の床は、以前の改修の時、久子さんが大切に保管していた立派なケヤキの板。

 

 

 

子供たちは元気に、室内を飛び回ってました。
新しい広いおうちが嬉しいみたいです。
工房としても、普段の暮らしにも使うダイニング。
大きな壁面本棚に、それぞれの本が並びます。

長く大切に使われている古い道具が、新しく作られた壁と窓とよく似合う。
古いものと新しいものが、美しく、ユニークに同居している、
そんな工房兼住宅になりました。

 

 

これからも末永く、幸せを作る場でありますように。

 

 

 


 

【 番外編 】

 

● 倉敷てまり 制作風景

後日工房にて、倉敷てまりの制作を見せていただきました。

糸は、必要な時に染められます。
糸の汚れを取りながら洗って

 

染料で染めたい色を調整してグツグツ煮ます。

 

しばらく煮て良い頃合いになったら火を止め、一定の時間置いておきます。

鍋から取り出し、洗って、天日干しします。

 

てまりの芯の部分を作ります。もみ殻をまとめて、木綿糸をグルグル。
力を入れてキレイにまん丸にします。

 

次に下地となる色糸を巻いていきます。

 

まち針をガイドに模様を作っていきます。

 

青いてまりには刺繍で模様を付けます。
健康的な色合いが特徴の倉敷てまり。
鮮やかでありながら和やかでもあり、奥が深い色調です。

 

新しい工房で見せていただいた、てまり作り。
見ているうちに作りたくなっていました。
誰もが作り手として参加できる民藝・倉敷てまり。

久子さんの、
「作る喜びは格別。手仕事は心の安定になりますでしょ。」
という言葉が優しく頭に響くのでした。

おわり

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