その11 スローな調味料 “静置発酵のお酢”

2019.06.27

 

梅雨時期のもやっとした蒸し暑さのせいか、
食欲が落ちたり、カラダがだるく感じたりするこの季節。
夏野菜を使ったピクルスや冷やし中華など、お酢を使ったさっぱりしたものが欲しくなる。

「お酢はお酒のなれの果て」なんて言われるが、
どんなお酒でもそのまま静かに発酵させてやると、だいたいお酢になるみたいだ。

なので、その国のお酒や食文化を知ると、その国のお酢へ行き着く。
日本はお米からお酒をつくるので、米酢や玄米酢が一般的。

ヨーロッパなどブドウからワインをつくる国はワインビネガーやバルサミコ。
シードルの国はリンゴ酢。ビールの国は麦芽(モルト)酢などなど…。
お酒とお酢はなんだか兄弟みたいで、へえ〜というかとても近い関係にある。

日本の伝統的な酢造りも、まずは酢のもととなる酒造りから始まる。
ここで仕込む酒はアミノ酸の多い旨口タイプ。
そこに種酢を加え、酢酸菌膜を表面に浮かべて発酵させること3〜4ヵ月(蔵によっては半年以上)。
微生物の力によってアルコールがゆっくりお酢へと変化していく。
絶対にかき回してはだめで、時間と戦わず、ただひたすら静かに微生物の営みを見守るのみ。
蔵によってはそこからさらに2〜3年熟成させたりする。

これは「静置(せいち)発酵」と呼ばれる昔ながらの製法で、2〜3日で速醸される大手メーカーの
米酢や穀物酢とは違い、長い時間と職人の手をかけながら、ゆっくりとおだやかにできあがる。
酸度が高いのでのびもよく、それでいてとてもまろやかで香りがやさしい。
なにより自然の力で発酵させたものは、カラダによい有機酸がとても豊富。
これからの季節、夏バテ防止や疲労回復に一役買ってくれること請け合いだ。

 

お酢をソーダで割って甘みをつけたビネガードリンク。
お好みでフルーツなどを浮かべて

 

■富士酢プレミアム(京都・飯尾醸造)

京都・丹後の山里で農薬を使わずに栽培したお米を、通常の(米酢と表示できる)量のなんと8倍も使用した贅沢な米酢。富士酢のラインナップの中でも、特に贅沢でオーガニックな逸品です。昔ながらの静置発酵と長期熟成からなるまろやかな旨味が特徴。ツンとこないので、なんとそのまま飲めちゃいます。健康ドリンクとしてもうってつけ。ドレッシングはもちろん、納豆にかけたり、酢の物にしたり、できれば加熱せずそのまんまを味わってみてください。
富士酢プレミアム
360ml 1188円
500ml 1512円

高価なお酢ですが、健康志向の方を中心に根強い人気

文:酒のみむら|三村佳代子

 


酒のみむら プロフィール
「からだにやさしい、おいしいお酒と食のある
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