「なんだか楽しそう!」な人たちって、暮らしも楽しそう! それってつまり、〈 暮らし上手 〉だと思うんです。
そんな人たちの「たのしい」の秘訣、聞いてみたいな・・・。 よし!会いに行ってみよう!!
思い立ったが吉日、さっそく お伺いした暮らし上手さんからは、幸せのヒントが いっぱい飛び出してきました!


赤磐市の自宅でパン教室「Campagne(カンパーニュ)」を開いている加藤佳奈子さん。5歳になる食いしん坊の息子さんとご主人の3人暮らし。焼きたてパンの香ばしい香りとともに、おいしい食べ方や旬のもの、インテリアのことなど、飾らない人柄で「おいしい!」の喜びや楽しさを伝えています。お話を聞きに行った日は、コロコロとしたつやつやのベーグルを焼いてくださいました

(聞き手:松田祥子)

3.心の平和を握る冷蔵庫 『暮らし上手さんに会おう!第10回』

2017.05.22

 

 

 

【佳奈子さんが低温で長時間発酵させていた食パンの生地を出してきました】

 

佳奈子さん:これが食パンの生地ですね。ふくらんでいるのは酵母の力です。

 

 

――:わぁー、かわいい!

 

佳奈子さん:ふふふ。発酵した生地を教室で出したときも、皆さん「かわいい~」って言うんですよ。今からベンチタイムをとりますね。この布はキャンバス生地で、ほどよく生地の水分をとってくれるんです。

 

 

 

【ベンチタイムをとった生地を食パン型に入れます。3つ並んでいるお山がなんともいえない】

 

 

佳奈子さん:最終発酵になります。

 

――:こんな感じで教室では説明をしながら作られているんですね。

 

佳奈子さん:普段はもうちょっと真面目にしてますが(笑)。

 

――:東京でアシスタントをしていたときと、実際にパン教室をスタートしてみてからのギャップはありましたか?

 

佳奈子さん:悩むときもありますが、自分がこうやろうというイメージを形にしていけてる実感はありますね。といったらお気楽人間みたいですけど(笑)。ただ、皆さんに期待されているというプレッシャーはすごく感じています。ありがたいプレッシャーですが。だから、新しいことを勉強し続けなければならないと思っていて、今でもシェフの講習には行ったりするんですけど。

 

――:シェフというのは?

 

佳奈子さん:東京で習っていたときのシェフ方ですね。パン作りもどんどん進化しているし、多少流行りもあったりするのでね。最前線の現場で教えてもらって、それを持ち帰ってくることが必要かなと。そのために東京まで行かなあかんと思ってます。それが自分に求められていることだろうというのもありますね。少し真面目な話です(笑)。

 

 

――:教室を始めて7年目。佳奈子さんの中での変化は?

 

佳奈子さん:ようやく自分のペースがつかめてきたというか、今はいいペースでやれていると思いますね。私、余裕がなくなるとだめなんですよ。頑張りすぎるとしんどくなっちゃうので。丁寧な気持ち、穏やかな気持ちでいること。せかせかしている時にいいものはできないので。

 

 

――:確かにあせった気持ちで料理するとおいしく作れません。

 

佳奈子さん:ダイレクトに出ますよね。教室の前とか、人に作ってあげる前とかは、できるだけ夫婦喧嘩もせんとこうと思いますね。窓を開けて変な空気を出したり(笑)。

 

――:場を整えること。確かに…。佳奈子さん、ずっとスケッパーで台の上の粉をきれいにふき取ってますもんね(笑)。

 

 

佳奈子さん:あ、キレイ好きとちゃいますよ(笑)教室を開く1階は人が来るからすっきりさせたくて。2階は行ったらあかんです。裏の顏みたいになってるから。

でもね、「いい気」というか、雰囲気というか、それってとってつけれるものではないし、とても重要だなと思っていて、教室を整えているのもそれが関係があるかもしれません。ただ、うちは生徒さんが空気を作ってくださる感じがあるのでありがたいなぁと思ってます。あと、私の中では冷蔵庫が結構重要で、心が平和になる要素の一つなんです(笑)。

 

――:中を見せてもらうことはできますか?

 

佳奈子さん:大丈夫です(笑)。

 

 

――:きれいにスタッキングしてありますね!さすが。

 

佳奈子さん:左にある瓶詰めは醤油麹、隣の赤い瓶はトマトピューレです。

普段はタッパーが2個か3個あればいいんですけど、毎日仕事が終わったあとに、冷蔵庫に何があるかどうかで、その後のイライラ度が変わってくるんですよね。何か作ってあると子どもに優しくいられるので(笑)。

 

――:冷蔵庫が平和を握ってる?

 

佳奈子さん:気持ちの余裕でしょうね。整っていると心も穏やかなんです。うちはこの一つの冷蔵庫でやっているので回転率いいですよ。教室のモノも入れるので。

でも整えることは物を増やさない秘訣でもあります。きっとあると入れてしまうと思うので(笑)、がんばって持たないようにしてます。

 

――:なるほど。

 

 

【ベーグルの発酵が終わり、佳奈子さんがベーグルを茹でるための鍋を準備しています。キッチンにも一輪挿しに花が飾ってありました。ほっと心が和みます】

 

佳奈子さん:もうすぐベーグルを茹でます。お湯にハチミツを入れると、つやが出るんですよ。

 

 

――:へえ!そうなんだー。そうそう、パントリー改造計画があると聞きました。

 

佳奈子さん:キッチンの奥にね、ハード系パンがよりおいしく焼ける平窯のデッキオーブンを入れようかなと計画してます。内装も変えてパン作り部屋に。あと、パンだけじゃなくて、発酵菓子も提案していきたくて。

 

――:ここに貼ってあるのは、もしかして、マスキングテープですか?

 

 

佳奈子さん:そう!ベタベタとマスキングテープを貼ってます。

 

――:元からある模様かと思ってました。これは何のために?

 

佳奈子さん:イメージです(笑)。この棚を取っ払って、ここをビルトインにしてミーレ(オーブン)をこっちに入れてとか…。

 

――:ああ!配置図になってるんですね!ちゃんと大きさや高さも計って?

 

佳奈子さん:もちろん。その製品のサイズをちゃんと計って貼ってます。これを置いた上にステンレスの棚を置くとこんな感じ…とか、こうやったら出しやすいかな…とか、自分で実際に動いてみたりして。妄想好きなんです。あ、妄想じゃない、イメージ!(笑)かなり具体的にイメージを描いていきます。

 

――:楽しそう!

 

 

佳奈子さん:こんな感じでね、イメージしてコトを叶えていくんです。イメージしておくと、なんかあったときに、そうそうそう、そうそうそうって引き出しが増えていって、何か見に行っても手繰り寄せるような感じ。親しい人にも話して、やる方に自分を持っていくし、夫にもじわじわと…(笑)。

 

――:笑。それを言い出した時には、ほぼ決めてます?

 

佳奈子さん:じわじわの方が長かったりしますが、これはいけそうな気がすると思ったら即実行(笑)。

 

 

――:あの扉に貼ってあるマスキングテープの四角ももしかして?

 

佳奈子さん:ドアをかわいいものにしたくて。それで、この小窓からのぞくと誰か来たのが見えるな、と。

 

――:あ、四角部分は小窓なんですね(笑)。

 

佳奈子さん:小窓部分を波打ちガラスにして、中から人が来たというのを確認できるようにして。パコっと小窓が開いて商品を渡すみたいな。

 

 

――:すごい。リアルにその姿が浮かんできました(笑)。

 

佳奈子さん:今からベーグルを焼きます。プレーンとチーズバージョンで焼きますね。

 

 

【チーズの焼けた香ばしい香りが部屋に漂い、なんともいえない幸せな気分に。次回は佳奈子さんが準備してくださったランチをいただきながらお話を伺います】

 

つづく・・・4回連載 最終回「4.ごはんのようなパンを」は5月29日UP予定です。

2017年3月 取材
文:松田祥子
キャプション:編集A

※ 写真をクリックorタップするとキャプションとともに拡大写真がご覧いただけます。

 

◆「Campagne(カンパーニュ)」のホームページ http://www.boule.jp/

 

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